銀山へ   9162(9262)レ 然別〜銀山

グランドS:216.6km地点(白樺バック)

 国道5号線をアンダーパスすると、小さな踏切を一つ横切りやがて線路は大きく左にカーブして、山線で最もポピュラーな撮影地に入っていきます。機関士も心得ていて、連続して汽笛を鳴らし、煙は大爆発状態。運転期間の中盤以降に乗務員に配られたセクション表では「煙サービスポイント」として記載されていたとも言います。
 C62重連時代からの有名撮影地だったせいか、ここは山線の数ある撮影地の中でも一番人気。いつ行っても三脚が林立してました。ベストポジションと言われるクマザサ山の一番てっぺんはよほど早く行かないと場所が確保できない。遅く来た人はだんだんと下の方に足場を取らざるを得なくなり、ついには登る通路までが全部埋まってしまうともう次の人は入れない・・・。私もここに行くときだけは武田旅館の朝食を7:00にしてもらってました(←遅い!)。それでも中段がなんとか確保できる程度のことが多かったですね。(^^;
 でも、ここはそれだけの思いをする価値のある場所でした。
 誰が呼び始めたか、「白樺バックのSカーブ」「グランドS」「グランS」・・・そんな愛称で呼ばれた撮影地でした。「グランド」も「グラン」も「grand」をそれぞれ英語読みとフランス語読みにしたものですから、要は「でっかいSカーブ」ということ。(^^;
 時に運転開始の春、背後の山が雪で覆われるときは本当に美しい絵が撮れる場所でした。
 (↓1995年5月 然別〜銀山)

然別〜銀山 9262レ

 ここで聞くC62の接近音というのは、独特なものがあります。他の蒸機のように「シュッシュッポッポ」なんて音じゃない。何と表現したらいいのか・・・グォォォ〜、という感じの轟音なんですよね。それが山肌に反響して増幅されて聞こえてくるような・・・。鳥肌が立つようなスゴイ音です。よくよくそばに来てから注意して聞いてみると、高速ドラフト音とブラスト、動輪のきしみといったものが全て交じり合った音というのがわかるんですが・・・あんな音はC62以外では絶対に聞けません。まさに蒸機の大王・・・。
 函館山線というのは、どこに行ってもSカーブだらけ、と言われていたくらいクネクネ線路が曲がっているんですが、意外やコレ、といった撮影地となると「S」字型になってる場所は少なく、「逆S」(Sの字の裏返し)になってる場所のほうが圧倒的に多いんですよね。ここは数少ない「正統S」カーブなんです。(何のこっちゃ・・・)
 初年度は6月の平日にも連日運転が行われました。6月中旬、稲穂峠では遅い新緑がそろそろ濃い緑に移り変わろうかという時期でしたね。さすがにこの時はここの撮影地も空いていました。
 (↓1988年6月 然別〜銀山)

然別〜銀山 9162レ

 さすがに真夏になるとモノクロ使いたくなります。(^^; 曇りがちな日はこんな感じに・・・。
 しかし、この場所何度足を運んだんだろう・・・。
 (↓1988年8月 然別〜銀山)

然別〜銀山 9162レ

 ついでに秋のカットも載せちゃいますか。あまり秋らしくないけど。
 え?いいかげんにしろ?ゴメンなさい〜〜。(^^;;;
 (↓1990年10月 然別〜銀山)

然別〜銀山 9162レ

 元々煙をサービスしてくれる場所ですから、ここで万一スカを引くようなことがあったら大凶のオミクジ引いたようなものでその年はロクなことはない、という冗談が出るくらいだったんですが・・・。(^^;
 ただ、それだけに思い切り重油メ一杯の真っ黒煙が出てしまうこともざらで、特に気温の高い日は・・・。この日はカマの調子が悪かったのか、黒ではなくて茶色に近い異様な色の煙が出てました。実はこの翌日にあの「伝説の大空転」を倶知安峠でやってるんですよね。ちょうど雲仙岳の大噴火があった年で、友人が「あの煙は火砕流だよ。」と言ってましたが・・・。(^^;
 (↓1991年11月 然別〜銀山)

然別〜銀山 9162レ