銀山へ   9162(9262)レ 然別〜銀山

銀山駅名標

然別

 「通票、然別。ヨンカク!」
 「ハイ、然別、ヨンカク〜!」
 ・・・というのは映画「雪の行路」のワンシーンですが・・・。(^^ゞ
 「C62ニセコ」は然別を通過、二番目の難所、稲穂峠への助走路へ。それまで開けていた車窓の景色も、次第に間近に林が迫るようになり、勾配も徐々にきつくなっていきます。国道5号線をアンダークロスするあたりから始まる連続20‰に備えてC62は猛然と加速、60〜70km/h出ているのではと思うほどの速度で突っ走っていきます。まさに急客機の本領発揮。タタン、タタン・・・車内で聞こえる早くリズミカルな轍の音。先頭から蒸気機関車の汽笛が聞こえるのが違和感を覚えるほど・・・。
 このあたりは撮影をしていてもC62が最もスピードが乗ってくるところなので、シャッターに気を遣います。なにせ1/250sec.では確実にブレますから。(^^;
 ヘタに長タマでサイドなんか狙おうものなら1/500sec.でもブレるかも・・・。
 力行しているはずなのにドラフト音というものが聞こえません。シュルシュルシュル・・・という高速排気音が目の前を駆け抜けていきます。他の機関車では絶対に聞けない音です。ここは流し撮りの定番撮影地でしたね。確か2年目の「北海道には本物の汽車がある」という鉄文協のポスターもここで撮られたもの。そこでこういう構図を取るのはハッキリ言ってムボーなんですが。(^^;
 (↓1993年5月 然別〜銀山)

然別〜銀山 9262レ

 進行方向左側に開けた土地が続く長い直線。これが終わるとゆるく右にカーブを切ってC62はいよいよ峠道に入っていくわけですが、この直線を見晴るかす位置から眺めると、線路の向こうに、まるで甘食パンみたいな(?)三角形の山が見えます。私たちはこの山を「三角山」とか「おむすび山」とか呼んでいました。(^^;
 (↓1993年10月 然別〜銀山)

然別〜銀山 9262レ

 地図で見ると、このあたりは巨大なカルデラの外輪山で、その内壁にへばりつくように函館本線が走っているんですよね。「赤井川カルデラ」というそうで・・・。そういえば、このあたりで取れるメロンは「カルデラメロン」っていいますね〜。しかし、このカルデラができる前の赤井川火山ってよっぽど巨大な山だったんでしょうね・・・。
 10月といえば、本来北海道では完全な深い秋なのですが、この頃から暖冬傾向があったのでしょうか、あまり寒さを感じない日が多かったように思います。線路端のススキの穂もどことなく若い感じが・・・。
 (1993年10月 然別〜銀山)

然別〜銀山 9262レ

 線路の両側は完全に林に覆われ、勾配も13.3→16.7→20.0‰と次第にきつくなっていきます。これまで直線的だった線路も徐々にカーブが増えてきて・・・国道クロスのやや手前、219kmポストの近くに桜の木がありました。この桜、毎年C62の運行開始の頃に花の盛りが来るかどうかが微妙なところで、この木を知る人は必ず試運転日の夕方に下見に来たものでした。
 (↓1991年5月 然別〜銀山)

然別〜銀山 9162レ

国道5号線クロス(218km地点)

 ここはもう説明の必要はないですね。(^^;
 「C62ニセコ」運転区間でも5本の指に入る定番中の定番の撮影ポイントです。おそらく今のC11のニセコ号運行でも人気スポットなのでは?もっとも今は東側の林がかなり伐採されたようですが。クルマで来るファンの違法駐車が相次いでJRや鉄文協に苦情が行ったことも多かったようです。
 (↓然別〜銀山 1989年8月)

然別〜銀山 9162レ