川端人材開発研究所

                     川端大二の戦略マネジメントコラム



コラム1        戦略マネジメント−新たな価値の創造に向けてー 

 公務におけるマネジメントは、plan,do,seeのマネジメント・サイクルで示されるように、計画によるマネジメントが中心である。計画通り実行して成果を上げ、マネジメント・サイクルで学習したことを次の計画に反映させて、マネジメントの質を高めていく。一方、企業はplan,do,check,actionのサイクルで展開される。目標達成に問題が生じれば、実施方法を改善し、必要であれば計画そのものを修正する。目標達成のために、プロセスの評価をフィードバックしてマネジメントをコントロールする目標(結果)によるマネジメントである。
 かなり以前から、公務のマネジメントもフィードバック・コントロールを働かせて、状況によっては政策や事業を修正し、場合によっては停止すべきとの批判が高まってきていた。しかしながら今日では、公務や企業経営の環境の変革が激しくなってきたことにより、状況は更に変化してきている。
 景気が右肩上がりの時代の政策は、景気が停滞している状況では負の資産を蓄積してしまう。開発優先の政策は自然環境の保護が重視される時代にはそぐわないし、インターネット時代には、情報閉鎖的な組織や政策は意味をなさない。環境の変革は社会や人々の求める価値の質の変化をもたらす。そこでは、公務も企業も従来の延長線上に解を見いだすことはできない。新たな価値を創造するビジョン型の政策や経営が必要になる。
そうなれば、マネジメント・サイクルで学習したことを次の計画に活用するのではなく、新たなビジョン・目標の構想や新たな実現策を構築していかなければならない。戦略マネジメントの展開である。
 今日の管理者やリーダーには、わが国には不慣れな(未発達の)戦略マネジメントが強く要請されているのである。幸いにして、(財)公務人材開発協会では、公共部門の管理者を対象とする「変革時代の実践マネジメント(戦略マネジメント)」の研修コースを開発し、今年度から普及を図ることにしている。











 コラム1 戦略マネジメント