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“収穫の秋”という言葉があります。

春・夏・秋・冬のそれぞれの季節で“旬のもの”があるように、秋以外でも農作物の収穫はあるわけですが、

“日本の主食”である米の収穫時期が秋であることから、このように言われているのかも知れません。



新米が秋に出る、ということは、その直前である夏は、一年の中でも、最も品薄になる時期かと思われますが、

今年は、驚くほどの品薄状態で、8月半ばあたりから、スーパーなどの商品棚から米が消えました。

理由として、様々なことが言われているようです。



その1つに、先月(8月)の8日に発表された「南海トラフ地震臨時情報」があります。

同日に日向灘で起こった地震を受けて、気象庁が初めて発表しました。

「近々、巨大地震が来るかも知れない。」と、皆、心配したわけですが、

中には、お米の買いだめに走った方々もいたようで、それにより、一気に品薄になってしまった・・・とか。



しかし、それ以前から、既に、お米の値段は上がっていたように思います。

4月18日は「発明の日」でして、毎年、この日を含む1週間は「科学技術週間」として、

全国の科学館や博物館でイベントが催されています。

そして、この期間内には、「一家に一枚」ポスターが無料で配布されており、

私は、毎年、この時期に、長居公園内にある自然史博物館へ行くことにしています。 今年も行きました。

そして、その帰りに、長居公園の近くにあるスーパーへ立ち寄り、お米を買おうとしたのですが、

そのときに、5kg入りで500円くらい値上がりしていることに気付きました。

そのときは「やはり、大阪市内は、堺市内より物価が高いのかな?」などと思い、買うのを控えました。

次の日、自宅(堺市内)の近所のスーパーに行ってみましたが、ここでも、やはり値上がりしていました。

時期的にはゴールデンウィーク前でしたが、それ以降、ずーっと高値で推移していました。



今年の米不足の理由として、別に考えられているのは、猛暑によるコメの不作です。

ここ数年、夏の暑さは“猛暑”という言葉がふさわしいくらいのレベルになっています。

この暑さ、私たちヒトにとっても過酷ですが、イネにとっても過酷な状況でして、水田の水管理が大変です。

蒸発によって水田の水量が減少するといけません。

近年は、センサーを取り付け、装置から水面までの距離を電磁波で測定することで、水量変化を監視し、

減っているときには自動で加水できるシステムも導入されているようですが、

装置の値段が高く、多くの農家に普及するまでには至っていません。

また、水量管理ができたとしても、水温調節は難しいです。 “お湯に浸かった状態のイネ”になりかねません。

暑さに弱い品種だと、生育不良で歩留まりが悪くなります。



2023年産米の作況指数は101で「平年並み」でした。

これを受けて「不作が原因ではない。」という方もいます。・・・しかし、果たして、そうでしょうか?

第一に、公表される作況指数に対して、農家側の声は「そこまで多くない」ということが通常です。

これは、篩のメッシュの粗さ(細かさ)の違いによるものです。

農家が使用している一般的な篩よりも、国の調査で使用する篩の方が、目が細かいので、

より多くのコメが篩上に残ることになり、作況指数が実際よりも大きめの値になってしまいます。



第二に、「作況指数」は、あくまで、実際に栽培する前の、その年の予想値ですから、

実際に「101」になったかどうかは分かりません。

また、作況指数における「平年並み」は、気象業界における「平年並み」とは異なります。

気象業界で「平年並み(平年値と同等)」という場合に用いる平年値の計算は、

過去30年間分の観測データの「算術平均」により求まりますが、

作況指数に用いる「平年値」は、スプライン曲線を使用して推定しています。

したがって、スプライン曲線を描く際に、どのような平滑化をするかによって、推定値も変わります。



はて、「スプライン曲線」「平滑化」って、何?・・・これを機に、ちょっと勉強してみましょうか!


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