数理
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4月18日は「発明の日」です。 現在の特許法にあたる「専売特許条例」が1885年4月18日に公布されたことに由来します。 これに因み、毎年、4月18日を含む月曜日から日曜日までの1週間は「科学技術週間」とされ、 科学技術についての理解と関心を深めるために、 全国の科学館・博物館などの施設では、科学技術に関するイベントが実施されます。 (今年の「科学技術週間」は、4月15日〜4月21日) この科学技術週間に合わせ、文部科学省は、毎年、 科学の知識を親しみやすく示したポスター「一家に一枚」を制作・配布しており、 科学館や博物館に行けば、もらうことができます。 2024年のテーマは「数理」です。 (昨年のテーマは「ウイルス」でした。) 「数学は、道具である。」という考え方に立つのが「数理」であり、 まさに、「数学活用塾 数(KAZU)」の目指しているところです。 「数学が苦手だから、できるようになりたい!」・・・という動機で当塾に来られる方は多いわけですが、 「受験が終わったから。」とか「数学がある程度できるようになったから。」という理由で 塾通いを止められる方も多いです。・・・非常にもったいない。 “数学が、ある程度できる状態”なら、ようやく「数理」のスタート地点に立てている状態なので、 むしろ、そこからが本番! 近年、国を挙げて「理系、理系!」と号令をかけている割に、現状は、文系志望者が増えています。 これは、「理系は難しい。」という気持ちで、理系を避けていることも理由の1つかも知れませんが、 戦後で、ものがなく、第2次産業(ものづくり)が盛んだった時代とは異なり、 ものに溢れている現代においては、第3次産業(目に見えないサービス)が主流となり、 “もの”よりも“心”を意識するようになってきたからかも知れません。 ただ、第2次産業の就業者が減少し始め、いよいよ第3次産業が主体となった1990年代からでも すでに30年余りが経過しようとしている現代においては、 その“心”さえも、理系的に考えよう!・・・という潮流が起こりつつあります。 学校の授業で「統計学」に関する内容が今まで以上に重視されるようになってきているのも、 その表れではないかと考えます。 21世紀になり、「人間の感性」を工学的に扱う学問分野が台頭してきました。 私には、飲食店の経営と、大学との共同研究を両立していた過去がありますが、 食されるお客様の評価と、食品を分析機器にかけて出力された結果に関係性を見出せたときは、 主観的に“おいしい”“まずい”と言っていた食品を科学することで、 「心(気持ち・感覚)」を客観的に表現できる時代に入っていくのではないかと感じました。 テレビの“食レポ”も、今までは視覚効果と聴覚効果のみに頼っていましたが、 今後は、味覚効果や嗅覚効果までプラスされるかも知れません。 コロナ渦で、飲食店に行く機会が減り、出前を頼むようになりました。 コロナ渦から脱した現在、再び、飲食店にお客さんが戻ってきました。 その店の料理を食べるなら、出前でも良いはずなのに、なぜか店まで足を運んでしまいます。 ただ音楽を聞くだけならヘッドホンでも良いのに、なぜコンサートホールは存在するのでしょうか? 今後、バーチャル旅行なるものが旅行業界に誕生するかも知れませんが、 現地に赴くのと、果たして、同じ効果を得ることができるのかどうか・・・。 「心」を科学する時代に突入していくでしょうが、これも「数理」の1分野だと思います。 |
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