関西私鉄5社

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10月14日は「鉄道の日」です。・・・鉄道に関するネタは、ないものか・・・と思っていたら、

ちょうど、今日、2023年10月1日から、地元の南海電鉄が運賃値上げをしました。

堺東から難波に行くのに、大人1人260円だったものが290円にアップ!

いずれ300円を超える日がやって来てしまうのだろうか・・・。



関西にある他の大手私鉄は、どんな感じなんだろうか・・・と思い、調べてみると、

何と、今年は関西私鉄5社のすべてが運賃の引き上げをしていたのですねー。

上の表で、一番左にあるのは「営業キロ」です。 各社とも、左が値上げ前で、右が値上げ後。



表に数字を羅列しただけは分かりにくいので、グラフを描いてみました。

横軸が「営業キロ」で、縦軸が運賃です。

当然のことながら、電車に乗る距離が長いほど、運賃は高くなっています。



面白いのは、このグラフを見て、大きく2つのグループに分かれることに気付きます。

(阪神・京阪・阪急)のグループと(南海・近鉄)のグループです。

この2つのグループに分けた根拠は、前者のグラフは1本に見えて、後者のグラフは2本に見えるから・・・。

そんな曖昧な“見た目”で良いのか!・・・と怒られそうですね(汗)。

表を見ると、良く分かります。 前者は、すべての営業キロで値上げ幅が10円一律です。

それに比べると、後者は、営業キロにより値上げ幅が異なっています。

前者の方が値上げ幅が小さいため、グラフでは2本が重なって1本に見えていたわけです。



前者(阪神・京阪・阪急)は、なぜ、値上げ幅が一律で10円なのでしょうか?

これは「鉄道駅バリアフリー料金制度」と呼ばれるものです。

都市部の鉄道駅をバリアフリー化するために、多くの利用者に少しずつ負担してもらおうという鉄道料金制度で、

2021年12月に鉄道事業法を改正して創設されました。

関東・東海・関西・福岡の16事業者が、この料金制度の適用を届けています。



関西私鉄5社のうち、近鉄と南海は、この料金制度の適用を届けておらず、独自の値上げプランを組みました。

もちろん、利用客の足元を見た“無茶な値上げ”では、国土交通省に認めてもらえませんので、

正当な理由を挙げた上で、妥当な値上げ幅にしていることでしょう。

正当な理由の中に、バリアフリー化も盛り込まれているので、

実質は、値上げ幅マイナス10円が“独自の値上げプラン”ということになります。



それにしても、なぜ、前者(阪神・京阪・阪急)と後者(近鉄・南海)とで、

これほどまでにスタイルが異なっているのでしょうか?

各社の鉄道を、消費者側がどのように利用しているのか?・・・が異なるのかも知れません。

阪神・京阪・阪急は、通勤や通学といった、短距離を日常的に利用するのが主なのかも知れません。

それに比べると、近鉄・南海は、もちろん、通勤や通学での利用もありますが、

旅行など非日常的な目的で、長距離移動をすることまで想定しているのかも知れません。

近鉄の場合、観光地として、奈良県の吉野や三重県の伊勢・志摩がありますし、

南海の場合、世界遺産の高野山が控えていますしね。

これ以外にも、もっと様々な事情が考えられるかも知れません。



ちなみに、鉄道関連の玩具に、タカラトミーの「プラレール」があります。

商品ラインナップを見てみると、近鉄や南海の特急は定番商品になっていますが、

阪神・京阪・阪急では、阪急の1000系が定番化しているだけです。

少し前まで京阪の普通電車がありましたが、今は、定番商品からは外れていますね。

阪神の商品は、鉄道まつりなどのイベント時に特設ブースで売られている程度。

消費者の購買心理を考えた場合、やはり、

家族旅行などでテンションの上がった子どもが「これ、欲しい!」と親にねだる場面を、

販売者側は想定しているのでしょうか・・・。



今回は、「運賃の値上げ」というきっかけがあり、調べていくうちに、

同じ関西の私鉄と言っても、会社によってスタイルが異なることに気付きました。

このように、きっかけは何でも良いわけですが、

色々と調べてみると、新たな発見があったりして、面白いですね。


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