浅水波の速さ

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7月の第3月曜日は「海の日」で、今年の「海の日」は7月17日です。

「海の恩恵に感謝するとともに、海洋国日本の繁栄を願う」ことを趣旨として1995年に制定されました。

この日をきっかけに、海洋についての理解と関心を深めていきたいものです。

・・・というわけで、今月は、海に関する話題を取り上げたいと思います。



小学館の図鑑NEO「地球」を見ていたら、49ページに

「波は、浅いところでは遅くなる性質があるため、岸近くでは波長が短くなり、その分、波高が高くなります。」

と書いていました。 そして、この文章を見て、2つの疑問が湧きました。

(1)波は、浅いところで遅くなるの?

(2)波長が短くなると、波高が高くなるの?



ここでは、まず、(1)について考えてみましょう!

インターネットで検索してみると、以下のような式を、しばしば見かけます。

・・・@

恐らく、地球の半径に比べて、対象とする水深は小さいので、重力加速度は一定と見なすのでしょう。

すると、水深が小さいほど、波の速さも小さくなることが分かります。

「浅いところでは遅くなる」というのは、この関係式に基づいているのでしょう。



・・・ということは、上記の式@が、どこから導き出されたのかを考えれば良いことになります。

高校物理で、波は正弦波で表されると教わります。

(本当に正弦波で表されるかどうかの確認は、恐らく、高校の物理の授業ではしないと思います。)

(気になる方は、当塾で一緒に学びましょう!)

それに基づくと、時刻tでの、位置xにおける波の変位hは、次のように表されます。

・・・A

(なぜ、このように表されるのでしょうか?・・・一緒に学びましょう!)



式Aのhを微分すると、次のようになります。

・・・B

(「微分」は、高校数学の核となる内容であり、高校生なら、高校卒業までに全員、教わります。)

(ただ、「2階微分」となると、理系進学希望者でないと、教わらないかも知れません。)

(また、hは、変数がxとtの2つあり、多変数関数です。)

(多変数関数を微分するときに出てくる「偏微分」については、大学で教わる内容です。)



・・・ということは、同じ関数hに対して、別なる導出から

・・・C

という関係式が出てくれば、式Bと式Cを見比べて、



であることが分かり、問題が解決します。



式Cが、どこから出てくるのか?

ヒントは「連続の方程式」と「オイラーの方程式」です。

さて、「流体力学」の勉強を始めましょうか!


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