ガラス
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4月18日は「発明の日」です。 現在の特許法にあたる「専売特許条例」が1885年4月18日に公布されたことに由来します。 これに因み、毎年、4月18日を含む月曜日から日曜日までの1週間は「科学技術週間」とされ、 科学技術についての理解と関心を深めるために、 全国の科学館・博物館などの施設では、科学技術に関するイベントが実施されます。 この科学技術週間に合わせ、文部科学省は、毎年、 科学の知識を親しみやすく示したポスター「一家に一枚」を制作・配布しています。 2022年のテーマは「ガラス」です。 (昨年のテーマは「海」でした。) 【ガラスの歴史】 焚き火をすると灰が生じます。 この灰と土が混ざって固まりできたのがガラスです。 大航海時代以降、ヨーロッパ諸国は陸地の奪い合いで頻繁に戦争をしました。 武力強化に鉄器が欠かせなく、製鉄業が盛んになると、燃料獲得のため、森林伐採が進みました。 当時のガラスは、灰に含まれる炭酸カリウムが主体でしたが、 森林伐採により灰が手に入らなくなると、ガラスの製造に支障が出ます。 炭酸カリウムの代わりに炭酸ナトリウムを使おう!・・・ということになりました。 元素の周期表を見れば分かりますが、カリウムとナトリウムは同じ1族元素であり、 周期も1つ違うだけなので、代用品として使えたわけですね。 最初に開発された炭酸ナトリウム製造法は「ルブラン法」です。 ところが、この方法は、かなりの大気汚染物質が生じるので問題でした。 そこで改良され登場したのが、高校化学で学ぶ「ソルベー法」です。 大学入試でもお馴染みです。 【ガラスの利用】 ロシアがウクライナに侵攻して以来、エネルギー資源を巡って、日本も他人事ではなくなっています。 資源と言えば、地球上に偏在しているレアメタルなども日本にとっては将来的に深刻な問題であり、 それらを地球上ではなく、月に求めようか?・・・という考えもあるようです。 ガラスの成分である二酸化ケイ素やナトリウムは、幸いな事に偏在することなく、 地球上のどこにでもまんべんに、また、比較的豊富に存在しています。 国連が掲げる「SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)」の観点からすると、 これからも大いに役立てることができそうなガラス。 “資源を奪い合う戦争”を起こすことなく、平和に利用していける材料なのかも知れません。 |
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