円の面積
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【連載 面積(#02)】では、面積の計算をするときに積分法が使えることを紹介しました。 今回は、積分法を用いた円の面積の求め方を考えます。 いよいよ、小学6年生で覚える“あの謎の公式”の秘密が明らかになるわけです。 高校2年生で学ぶ「数学U」に、「図形と方程式」という単元があります。 小学生のときから高校1年生まで、代数(式の計算)と幾何(図形)は別々のものとして扱ってきましたが、 この「図形と方程式」を機に、代数と幾何が融合します。 高校数学では「直線」「円」「楕円」「双曲線」「放物線」などの方程式を学び、 大学に入って学ぶ「ケプラーの法則」や「万有引力の法則」を理解する足がかりとするわけです。 ここでは、「図形と方程式」の単元に登場する「円の方程式」を使います。 原点を中心とする半径rの円は、次の方程式で表されます。 ![]() どうしてこのような式になるのか?・・・中学3年生で学ぶ「三平方の定理」がヒントです。 この円の方程式をyについて解いてみると、次のようになります。 ![]() プラスのものとマイナスのものという、2通りが出てきますが、 このうち、プラスのものが円の上半分を、マイナスのものが下半分を表しています。 今は、上半分の方程式を使えば十分でしょう。 円の上半分の面積を求めて、その値を2倍すれば、円全体の面積になります。 ![]() さて、これを用いて円の上半分の面積を求める積分計算の式は、次のようになります。 ![]() この積分計算をする方法を学校で学ぼうとすると、高校3年生になるまで待たねばなりませんが、 そこまで待てない人のために、ここで詳しく見ていきましょう。 ![]() という文字の置き換えをします。・・・そう、「数学V」で学ぶ「置換積分法」を用いるのです。 この置き換えをすると、 ![]() なので、 ![]() ここで、高校2年生で学ぶ「三角関数」に含まれる「2倍角の公式」により ![]() だから、 ![]() となります。これが、円の上半分の面積ですから、円全体の面積はこの2倍となり、 あの「円の面積の公式」である、(円周率)×(半径)×(半径)が出てきます。 小学6年生のとき、なぜこの式で円の面積が求まるのか不思議でしたが、 これでようやく、その謎が解けました♪ |
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