水素

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4月18日は「発明の日」です。

現在の特許法にあたる「専売特許条例」が1885年4月18日に公布されたことに由来します。

これに因み、毎年、4月18日を含む月曜日から日曜日までの1週間は「科学技術週間」とされ、

科学技術についての理解と関心を深めるために、

全国の科学館・博物館などの施設では、科学技術に関するイベントが実施されます。



この科学技術週間に合わせ、文部科学省は、毎年、

科学の知識を親しみやすく示したポスター「一家に一枚」を制作・配布しています。

2016年のテーマは「水素」であり(昨年のテーマは「くすり」でした)、

宇宙空間から私たちの身近なところにまで広く存在している水素の全体像が掲載されています。

このテーマに因み、近年広まりつつある「水素社会」について、簡単に見てみましょう!



【新燃料として期待されている水素】


人類が化石燃料を使い始めてから、温室効果ガスである二酸化炭素の排出量がどんどん増えてきました。

このままでは、温暖化で地球が大変なことになってしまいます。

二酸化炭素の排出を抑えるには、化石燃料に代わる新しい燃料が必要であり、

近年注目されているのが「水素」です。



水の電気分解により水素と酸素が生じるので、この水素を使おうというわけです。

高校化学においても、この反応は頻繁に取り上げられていますね。

このとき、電気分解に必要な電気を火力発電などに頼っていては意味がありません。

太陽光発電や水力発電、風力発電など、二酸化炭素を排出しない発電法を選ぶことになるでしょう。

太陽光発電を可能にする半導体の技術は、これからも重要になってきます。

高校物理でも取り上げられるようになってきました。



【化学工業の原料としても重要な水素】


アンモニア製造の原料として、水素は重要です。

20世紀初頭に発明された「ハーバー・ボッシュ法」によりアンモニアが大量生産されるようになり、

それを原料にした化学肥料のおかげで、農業における収穫率が飛躍的に向上しました。



また、水素と一酸化炭素の混合ガスである「合成ガス」を反応させることにより、

エチレンやプロピレンなどのオレフィン類が生成します。

オレフィン類は、プラスチックの原料になります。

この際、一酸化炭素の代わりに二酸化炭素を用いることも考えられ、

この場合、二酸化炭素の排出を削減できるだけでなく、有効利用さえできるのです。



この他、酸化銅と水素を反応させると、酸化還元反応により銅を得ることができますが、

このように、水素の力により、金属の酸化物から純粋な金属を得ることも可能です。

水素の可能性は無限ですね♪


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