創薬と化学・生物学

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4月18日は「発明の日」です。

現在の特許法にあたる「専売特許条例」が1885年4月18日に公布されたことに由来します。

これに因み、毎年、4月18日を含む月曜日から日曜日までの1週間は「科学技術週間」とされ、

科学技術についての理解と関心を深めるために、

全国の科学館・博物館などの施設では、科学技術に関するイベントが実施されます。



この科学技術週間に合わせ、文部科学省は、毎年、

科学の知識を親しみやすく示したポスター「一家に一枚」を制作・配布しています。

2015年のテーマは「くすり」であり、

私たちが普段使用している薬の化学構造が、その構造をイメージした面白いイラストとともに掲載されています。

そこで、このテーマに因み、薬を開発する「創薬」と、学校で学ぶ化学・生物学との関係を見ておきましょう!



【薬を開発する化学的な方法】


経験的に薬効があるとされてきた植物などから、その薬効成分である化学物質を特定します。

その化学物質の構造が分かれば、次は、

その構造によく似た構造をもつ化学物質が含まれているものが薬の候補となるでしょう。

動物実験、臨床試験をクリアすれば、新薬の誕生です。



高校化学の「有機化合物」では、いろいろな有機化合物の構造式が出てきます。

それぞれの構造に特有な性質を把握しておくことで、未知なる有機化合物に出遭っても、

その有機化合物の性質を予想することができます。

大学に進めば、「有機合成化学」につながる分野ですね。



ただ、動物での実験が成功しても、ヒトの場合に上手くいくとは限りません。

やはり、マウスなどのモデル動物とヒトとの違いは大きいですからね。

実際に、臨床実験で苦戦しているケースが多く、特に21世紀に入ってからは伸び悩んでいます。



この状況を打開する方法として、従来の薬に新しい効能を見いだせないか、という試みがなされています。

既に出回っている薬であれば、臨床実験の壁をスムーズにクリアすることができるのです。



【薬を開発する生物学的な方法】


細胞に薬を作用させて、効果の有無を調べます。

これまで、増殖しやすく、維持しやすい、がん細胞がよく用いられていましたが、

がん細胞は正常な細胞ではないので、どうせなら、正常な細胞を使いたいです。

iPS細胞の技術があれば、増殖しやすく、維持しやすく、かつ、正常な細胞で実験できます。



ここ数年、クローン技術や遺伝子組み換え技術など、バイオテクノロジーの発展が目覚ましく、

高校生物の教科書にも次から次へと登場しています。

従来の創薬と言えば、化学的手法が主流でしたが、

これからは、生物学的な方法も盛んに使われるようになっていくのではないでしょうか。


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