平面と曲面の境界

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【地図の起こり】


ヒトは、他の動物に比べると体力的に劣りますが、

発達した知能により仲間どうしで情報交換をし、協力しながら現在まで生き延びてきました。

水の豊かな場所、安全な場所、獲物が集まる場所などの情報を伝達する手段として、

発明されたのが「地図」です。



ヒトが誕生してから農耕を始めるまでの、狩猟による生活を送っていた時代は、

1つの群れの規模は小さく、また、隣り合う群れどうしも離れていたので、

ヒトどうしが干渉し合う状況は少なく、地図に盛り込まれる情報(距離や方向など)がアバウトなものでも、

それほど大きな問題にはならなかったことでしょう。



農耕が始まると、土地を耕したり、用水路を造ったりするのに大勢の人々の協力が必要になり、

群れの規模が大きくなっていきました。群れ内で争わないよう、公平に課税するために、

キッチリ測量して耕地の境界を明確にし、地図に記録されるようになりました。

また、散在していた個々の群れが、それぞれ土地の拡大を推し進めると、

やがて、群れどうしが接触し、群れ間で争いが起こるようになります。

国防のため、あるいは、相手を攻めるために土地の状況を正確に知る必要が生じ、

より厳密な測量技術に基づく地図が求められるようになっていきました。



【地図の作り方】

最も基本的な測量技術は「三角測量」です。

三角形の角度を測り、辺の長さを求めていくことを繰り返し、各地点の位置関係を明らかにしていきます。

このとき、忘れがちなのですが、大前提となっているのが“平地である”ということです。

凹面や凸面といった曲面だと、3つある三角形の内角の和が180度である保証がなくなります。



ところが、御存知の通り、地球は丸いです。

ごく限られた狭い範囲ならば、地面を平面と見なせるでしょうが、

大規模な範囲になると、もはや、地面を平面として扱うには無理があります。

この場合は、球面であることを考慮した補正を行う必要があります。



【半径11km以内】

狭い範囲を測量するときと、広い範囲を測量するときで、測量方法を使い分けないといけないわけですが、

では、いったい、その境目は?

半径何km以内だと、地面を平面と見なして良いのでしょうか?

答えは「半径11km以内」です。

いったい、どのような計算から、この値が出てきたのでしょうか?・・・詳しくは次回をお楽しみに♪


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