水準測量で山の高さを測る

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【水準測量】




三角測量によってOHの長さを求めることができましたが、このようにして求めた標高(高さ)は、

直接OHの長さを測ったわけではなく、あくまで計算によって求めたものです。

高低差であるOHの長さを直接測ることができるのであれば、それに越したことはありません。

高低差を直接測る測量を「水準測量」と言います。



図で、地点Oを基準とし、地点Pの標高を求めることを考えてみましょう!

数十〜100メートルほど離れた2地点に、それぞれ標尺(長さ3〜6mの物差し)を立て、

2地点の中央に「水準儀(レベル)」を据えます。

レベルは、分かりやすく言うと、水平方向を見る望遠鏡です。



まず、標尺1の目盛りを読みます。

次に、レベルを水平方向に180度回転させて、標尺2の目盛りを読みます。

標尺1の目盛りの値と、標尺2の目盛りの値の差が、地点Oと地点Pの高低差になるわけで、

既知点である地点Oの標高に、この高低差を加算すると、地点Pの標高が求まります。



次に、標尺2はそのままで、標尺1を標尺3の位置に動かします。

先ほどと同様にして、レベルを通して標尺2と標尺3の目盛りの値を見ることにより、

地点Pと地点Qの高低差を測り、地点Qの標高を求めます。後は、これのくり返しです。



【日本水準原点】


 

東京都千代田区永田町1−1内に、高さの基準となる「日本水準原点」があります。

明治6〜12年にかけて、東京湾霊岸島の水位標で潮位を測定し、

その平均値を“平均海面”として標高0mの基準面にしました。



基準面にしたのは良いのですが、海面は静止することがないので、測量に実用的ではありません。

そこで、実用化するために、陸地に固定点として設けられたのが日本水準原点で、

その標高は「+24.3900m(東日本大震災後の値)」です。



元々「+24.5000m」でしたが、

1923年の関東大震災の影響で86mm沈下し、「+24.4140m」となり、さらに、

2011年の東日本大震災の影響で24mm沈下し、「+24.3900m」になりました。



山の標高を求めるにあたって、この水準原点から出発し、

今述べた方法で、地点O、地点P、地点Q、・・・と各地点の標高を求めていき、

山頂に向けて伸ばしていけば、いずれは、山頂にたどり着き、山の標高が求まるわけです。



【次回の予告】


だったら、山頂にある石柱は「三角点」じゃなくて「水準点」で良いのでは?・・・という疑問が湧きます。

そのあたり、次回に詳しく見ていきましょう!


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