三角測量と水準測量の違い
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【水準測量の欠点】 山の標高を水準測量で求めれば良いのでは?・・・と思うわけですが、 しかしながら、ちょっとした問題があります。 標尺の長さは、たかだか数メートルしかありません。 一度に標尺以上の高低差を測ることはできないので、一度に測れる高低差は、ほんの数メートルだけです。 傾斜が緩やかな平地での水準測量は問題なく進むのですが、 傾斜が急になってくると、ほとんど距離を稼げません。 “牛歩戦術”で地道に少しずつ進むには、あまりにも労力がかかり過ぎます。 こういった場合には、先に述べた三角測量による鉛直角測定を行います。 【三角測量と水準測量の違い】 ただ、鉛直角測定による方法は、やはり、計算による間接的なものなので、 水準測量により直接測ることに比べれば、精度が落ちます。 このことは、三角点と水準点の表示からも伺えます。 ![]() ![]() 三角点では、@緯度、A経度、B標高の順番で表記されており、 水準点では、@標高、A緯度、B経度の順番で表記されています。 しかも、三角点の緯度・経度は、さらに詳しく、“北緯”、“東経”と記されています。 また、水準点の緯度・経度は“秒”の単位以下の数字がありませんが、 三角点の緯度・経度は“秒”の単位以下の数字もあり、 一方、標高については、三角点より水準点の方が、小数点以下の有効数字の桁数が多く表示されています。 これらのことから、 三角点は、緯度・経度といった水平方向の情報に対する精度が良い基準点であり、 水準点は、標高、つまり、高さの情報に対する精度が良い基準点であることが伺えます。 実際の測量においては、鉛直角測定により高低差を求めていく場合、 誤差が増大するのを防ぐために、 最寄りの水準点から出発して、8個目の三角点までで止めておくようです。 |
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