全生物の共通祖先
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【分子系統樹】 1986年、アメリカの生物学者カール・ウーズ(1928−2012)は、 リボソームRNA遺伝子を用いて、系統樹を作成しました。 → なぜ「リボソームRNA」を用いた? 興味深いのは、根に近い生物が、いずれも、温度の高い環境で生きる生物(好熱菌)である・・・ということ。 好熱菌は、熱い環境を好む、というよりは、熱い環境でしか生きることのできない細菌です。 しかも、系統樹の根元に近くなればなるほど、より高温環境を好む傾向にあり、 このことから、全生物の共通祖先は、生育環境が80℃以上の超好熱菌ではないか?・・・と考えられています。 ![]() 【熱水噴出孔】 これらの生物が多く見つかっている場所は、深海の熱水噴出孔です。 太平洋や大西洋の2000〜3000メートルの深さに、約350℃の熱水を噴き出す煙突状の部分があり、 吹き出す熱水には硫化水素が含まれています。 化学合成細菌の1種である硫黄細菌は、2H2S + O2 → 2H2O + 2S + 352kJ の反応により、 硫化水素からエネルギーを調達します。 無生物時代の原始地球において、 硫黄細菌を含む化学合成細菌からスタートして、生物は進化していったのかも知れません。 「生物の分類」に戻る |
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