アメダス
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気象庁が「地域気象観測システム」として運用している「アメダス( AMeDAS )」は、フルネームを 「 Automated Meteorologial Data Acquisition System(自動気象データ収集システム)」と言い、 全国の1283ヶ所に設置されています。・・・参考までに、全国の自治体数は1719です。 堺市にも1つのアメダスが設置されており(大仙公園の南側)、 1時間ごとに「気温」「降水量」「風向」「風速」「湿度」が観測されています。 ![]() 降水量を観測できるところが1283ヶ所、 降水量に加えて、気温・風向・風速も観測できるところが914ヶ所あります。 これらが均等に設置されているのか、少し考えてみましょう! 【アメダスの分布】 まず、都道府県ごとに、アメダスの設置数がいくらか調べてみたところ、次の表のようになりました。 ![]() 北海道の設置数が多いのは、面積が大きいからですね。 均等に設置されているならば、広い都道府県ほど、アメダスの設置数が多くなることは、十分に考えられます。 そこで、都道府県ごとに、アメダス設置数を面積で割り、「面積あたりの設置数」を計算してみました。 ![]() 沖縄県と東京都で、面積あたりのアメダス設置数が多いことが分かりました。 なお、予め注意しておきたいのは、全国平均(0.00395)に対して、 「大阪府(0.00577)は、多い。」とか「徳島県(0.00265)は、少ない。」とは言えません。 もし、この表を見て、「大阪府は多い。」とか「徳島県は少ない。」と思った人がいるならば、 その考え方は主観的であり、客観性を欠いています。 ちゃんと統計学的手法に基づいて判断しなければなりません。 客観的な判断ができるように、統計学的な手法を身につけたい!・・・と思う方は、塾で一緒に学びましょう! さて、沖縄県と東京都では、どうして、他の道府県よりも、面積あたりのアメダス設置数が多いのでしょうか? 「東京都」と聞けば、真っ先にイメージするのは「23区」でしょうが、他にも、色々な場所があります。 東京都で最も標高が高いところは2000メートルを超えていることを知っていますでしょうか? また、東京都は、日本最南端の沖ノ鳥島(北緯20度)や日本最東端の南鳥島(東経153度)を含みます。 これだけ広く、また、標高差もあれば、気象にバリエーションが出てくることでしょう。 アメダスの設置数を多くしておかないと、東京都内の一部の地域における気象を把握し損ないます。 沖縄県についても同様のことが言えます。 東西方向は、大東諸島がある東経131度から日本最西端の与那国島(東経123度)まで、8度分。 これは、東京から広島くらいの距離に相当します。 南北方向は、沖縄本島がある北緯27度から波照間島がある北緯24度まで、4度分。 これは、能登半島の先端から和歌山県の潮岬くらいの距離に相当します。 ・・・ということは、沖縄県に含まれる範囲は、概ね、 (四国地方)+(中国地方)+(近畿地方)+(東海地方)+(北陸地方)になりますね。 こりゃ、広い! 沖縄県も、東京都と同じく、アメダスの設置数を多めにしておいた方が良さそうです。 【令和3年3月から、観測種目や観測方法が変更されました。】 @「日照時間」について。 かつては、アメダスで直接観測していましたが、気象衛星のデータを基に推計することになりました。 ・・・なぜ? A「風向風速計」について。 かつては、“風車型”が主流でしたが、“超音波型”に置き換えられることになりました。 ・・・なぜ?・・・どのような仕組み? B「湿度」について。 相対湿度の観測点を増やしました(1283ヶ所のうち、463ヶ所)。 ・・・なぜ? (※)小学校で理科の時間にアメダスについてサラッと触れますが、そんなに深入りすることはありません。 以降、高校で地学が敬遠されている影響もあってか、中学校の理科でも特に触れることはない・・・。 しかし、私たちは、台風や集中豪雨で毎年のように被害に遭っている日本列島に住んでいるわけで、 もう少し、気象に対する関心をもっておいた方が良さそうな気がします。 気温は、どのようにして観測しているのだろう?・・・「白金抵抗温度計」って、何? 降水量は、どのようにして観測しているのだろう?・・・コップに溜めて深さを読んでいるわけじゃない。 風向は、どのようにして観測しているのだろう?・・・“風向の平均値”って何? ・・・など、謎だらけ。 一緒に勉強していきましょう! 「地面より上」に戻る |
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