風化

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【化学的風化】


理科年表で「地殻の元素組成」を調べてみると、1%以上含まれている元素は、

酸素:47.5%   ケイ素:29.7%   アルミニウム:8.1%   鉄:3.9%

カルシウム:2.6%   ナトリウム:2.4%   カリウム:2.3%   マグネシウム:1.5%

の8種類であり、これらで、全体の98%を占めています。



「風化」とは、地表に表れている岩石が、長い年月の間に、

大気中の酸素・二酸化炭素・雨水・風・気温・生物の根などの作用によって、

壊されたり、溶かされたりすることで、「化学的風化」と「物理的風化」があります。

物理的風化は“最終段階”であり、化学的風化が先行します。



「化学的風化」とは、上記の8元素から、カルシウム・ナトリウム・カリウム・マグネシウムを除去し、

ケイ素・アルミニウム・鉄の組成を変えることです。



【カルシウム・ナトリウム・カリウム・マグネシウムの除去】


酸化カルシウムは、水を加えると、水酸化カルシウムになります。

水酸化カルシウムに二酸化炭素を吹き込むと、一旦は、不溶性の炭酸カルシウムになりますが、

さらに、二酸化炭素を吹き込むと、炭酸水素カルシウムになって、水に溶けるようになります。



酸化ナトリウムは、大気中の二酸化炭素が溶けた水が作用することで、炭酸水素ナトリウムになります。

炭酸水素ナトリウムは、加熱により、炭酸ナトリウム + 水 + 二酸化炭素に分解します。

炭酸水素ナトリウムにしろ、炭酸ナトリウムにしろ、溶けて、流出します。



カリウムは、ナトリウムと同じく1族元素なので、状況はナトリウムのときと同じです。

酸化カリウムは、炭酸水素カリウム、もしくは、炭酸カリウムになります。

炭酸水素カリウムにしろ、炭酸カリウムにしろ、溶けて、流出します。



酸化マグネシウムは、鉱物としては存在しません。

マグネシウムは、水滑石中の水酸化マグネシウムや、菱苦土石中の炭酸マグネシウムとして存在します。

そのままでは水に溶けにくいですが、硫酸と反応して硫酸塩になれば、水に溶けやすくなります。

硫酸は、緑蕃の熱分解などにより、存在している可能性があります。



【ケイ素・アルミニウム・鉄の組成変化】


pHが低いと、アルミニウムや鉄は、溶解度が高くなり、岩石中から簡単に溶出します。

その結果、ケイ素が残り、相対的に、ケイ素の割合が高くなります。



pHが上昇してくると、アルミニウムの溶解度が小さくなり、逆に、ケイ素は溶けやすくなります。

その結果、アルミニウムの割合が高くなってきます。



さらにpHが大きくなると、アルミニウムは、錯イオンを形成し、再び溶けるようになります。

ケイ素の溶解度は、相変わらず高いままなので、結果的に、鉄の割合が高くなります。



(※)花崗岩の組成として「 K2O 4.5% 」と表示されていれば、

   これは、造岩鉱物として、正長石( KAlSi3O8 )を26.6%含んでいることを意味します。

   ・・・えっ、どんな計算?



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