膨張宇宙

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救急車などの緊急車両が通過するとき、

通過する直前のサイレンの音と、通過した直後の音が、異なって聞こえます。

これは、高校物理で学ぶ「ドップラー効果」によるものです。

ハッブルは、天体観測をしているとき、“重大なこと”に気付きますが、

それは、この「ドップラー効果」による仕業でした。



学ぶ項目を、ステップを細かく分けて一覧にしました。

「この項目は大丈夫だな。」と思うものは飛ばしてもらって結構です。

自分に必要な項目だけを学べば良いでしょう。

カッコ内は、文部科学省の学習指導要領に従った、目安となる履修学年です。



【ドップラー効果】


(01)
音源が近づく(高2)・・・音は、高くなります。 なぜ?

(02)
音源が遠ざかる(高2)・・・音は、低くなります。 なぜ?

(03)
観測者が近づく(高2)・・・音は、高くなります。 なぜ?

(04)
観測者が遠ざかる(高2)・・・音は、低くなります。 なぜ?



【ハッブルの法則】


(05)
ウィルソン天文台・・・20世紀初頭、世界屈指の天文台でした。

(06)
エドウィン・ハッブル・・・渦巻星雲のセファイドを観測していました。

(07)
ハマソン・・・ハッブルの助手です。 「赤方偏移」を観測しました。

(08)
赤方偏移・・・波長が赤い方へずれていることです。 「ドップラー効果」によるものです。

(09)
ハッブルの法則・・・遠くにある星ほど、速く遠ざかっています。

(10)
膨張宇宙・・・つまり、「宇宙は広がり続けている」ということです。



【ビックバン理論】


宇宙の膨張を過去にさかのぼると、ある時点で、宇宙の物質のすべてが1点に凝縮されていたことになります。

宇宙の最初は、大爆発を起こして、高温・高圧な状態から始まった・・・という考えを

「ビックバン理論」と言います。



宇宙が恒久的なものでないとすると、2つの疑問が生じます。

@宇宙は、どのようにして始まったのか?

Aそして、最終的には、どうなってしまうのか?



宇宙の始まり方が分かれば、この宇宙全体が、どのようなものか分かるかも知れません。

宇宙の全体像を知るには、宇宙をできるだけ広く観測すると同時に、

宇宙初期に何が起きていたかを探ることが重要です。



幸いなことに、宇宙の観測は、原理的に、(遠くの宇宙を見ること)=(過去の宇宙を見ること)です。

例えば、10億光年先の宇宙を観測すると、10億年前の宇宙の姿を見ていることになります。

したがって、宇宙を、できるだけ遠くまで観測することが重要です。



【理論物理学】


現在、宇宙誕生後約38万年の“初期宇宙”まで、さかのぼって探ることは可能です。

しかし、それ以前の宇宙を、電磁波で直接探ることができません。

「ニュートリノ」や「重力波」を活用すれば、38万年後より前の宇宙を観測できるかも知れませんが、

現時点では、実用化に至っていません。



そこで、38万年以前の宇宙を考える手段として、

「素粒子物理学」など、物理学を用いた理論的な方法が用いられています。



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