ドイツワインの基礎知識(少しずつ制作中)
■ドイツ農民の魂
ドイツは寒い国です。日本の近くでいえば樺太の緯度、北緯50度あたりでもブドウを栽培しています。
これは暖かいメキシコ湾流と父なる大河ライン川に守られて栽培が可能になっているためです。
でも、大変厳しい気候条件のもとにいることは変わりありません。
寒いためにブドウの成熟に時間がかかり、アルコールのもととなる糖分がなかなか得ることができません。
ドイツのブドウ栽培者は糖度を得ることに命をかけます。
したがって、ドイツワインは糖度によってワインの格付けを行います。
(だから、補糖によって糖度を上げるという技を使いたくないのです)。
フランスワインが畑によってワインの格付けをするのと大きく異なるところです。
ブランド戦略としてはフランスの方が一枚上手のような気がしますが。。。
■地域の話
ドイツワイン法ではワインを作れる地域を定めていて、それは上級ワインの場合、13の
地域からなります。(ベライヒといいます)。
よく耳にする「モーゼルワイン」のモーゼルも地域名です。
13の地域はドイツの南の方に集まっており、ライン川などの川の近くにあります。
日本でもおなじみなのは、「モーゼル」、「ラインガウ」、「ラインヘッセン」、「フランケン」、
といったところでしょうか。
■辛口か甘口かの話
ドイツワインは甘口が有名です。マドンナという銘柄をスーパーで見かけた方も多いでしょう。
でも、現在は辛口が56%と生産の半分を超えています。
辛口のワインは「トロッケン」とラベルに表示されています。
■白ワインか赤ワインかの話
ドイツと言えば白ワインですが、近年、赤ワインの生産量が増え、1/3が赤ワインになっています。
赤ワインも大変おいしいものが数多く出ています。
フランスのブルゴーニュ地方の代表品種はピノノアールですが、ドイツではシュペートブルグンダー
という名前でこのピノノアールが栽培されており、やはり、黒ブドウの代表品種になっています。
■格付けの話
ECワイン法ではワインの格付けを上級と日常ワインに分けています。
ドイツワイン法も同じです。ただ生産量から見ればほとんどが上級ワインです。
ここでは上級についてのみ述べます。
ワインのラベルをよく見ると格付けが書いてあるので、購入時の参考にされるといいです。
格付け表
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糖度 |
アルコール度 |
特徴 |
QmP |
TBA(注1) |
150 |
5.5度以上 |
貴腐ワインです。 |
アイス |
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同上 |
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ベーレンアウスレーゼ |
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同上 |
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アウスレーゼ |
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7度以上 |
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シュペートレーゼ |
76 |
同上 |
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カビネット |
70 |
同上 |
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QbA |
QbA |
51 |
7度以上 |
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(参考) |
テーブルワイン |
44 |
8.5度以上 |
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(注1) TBA:トロッケン・ベーレン・アウスレーゼ ここでトロッケンは辛口ではなく、
乾いたという意味で使われています。
(注2) 糖度:エクスレ度 ここの数値はモーゼル地方の値です。
値は地域ごとに異なります。暖かいところではブドウがよく育つので
エクスレ度も高めに設定されます。
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