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26氷河クルーズ


【7月17日】

5日目。今日は朝から小雨が降っている生憎の天候ですが、アンカレッジから車で約1時間半、かっては軍港だったウィッティア (Whittier) から高速船に乗り、プリンス・ウィリアム湾のバリー・アーム (Bally Arm) とカレッジ・フィヨルド (College Fjord) という二つの入江に流れ込んでいる氷河を見る「26氷河クルーズ」の日です。



時速60〜70Kmという自動車並みのスピードで走る双胴の高速船。巡航時に甲板で風をまともに受けていると息苦しくなります。

後ろ向きでかぶっていた私の野球帽はあっ!という間に吹き飛ばされてしまいました。


船尾には、アメリカの国旗とともに、北極星と北斗七星がデザインされているアラスカ州旗が掲げられています。



この図は船にあったパンフレットからの借用。白い部分が氷河で、すべての氷河には名前が付けられています。
船は左中央部のウィッティア (Whittier) を出航し、バリー・アーム入江 (Barry Arm) の最深部まで行き、今度はカレッジ・フィヨルド (College Fjord) の最奥部までいって引き返す、全行程約220Km、4時間半ほどのクルージングです。


(以下の写真はクリックで拡大します)

バリー氷河が見えてきました。


氷河の上端は曇った空に紛れましたが、高い山のトップから海面まで氷河の流れは続いています。
ベーカー氷河。谷あいを埋めて海に流れ込んでいます。

流氷の数が増えてきました。


船が流氷にぶつかり、ゴツン!ゴトゴトッ!という音が聞こえてきます。ときどき流氷の上にアザラシを見かけます。


船では、乗組員が海面からすくい上げた氷片でウィスキー・オンザロックをつくり販売しています。我々グループの一人がその氷片を分けてもらい、日本から持ってきた焼酎でオンザロックをつくりました。ご相伴にあずかりましたが、きれいな透明の氷です。氷の中に圧縮されて閉じ込められた気泡が、プチプチと小気味良くはじける音が聞こえます。数千年、数万年もの歳月をかけてできた氷河の氷でつくった焼酎オンザロックは、格別の味わいです。



プリンス・ウィリアム湾にはザトウクジラ、シャチ、イルカ、アザラシ、オットセイ、ラッコなど海洋性の哺乳動物が多く棲息しているそうです。クジラとシャチには出会いませんでしたが、アザラシとラッコをあちこちで見かけました。
アザラシ ラッコの大群 ラッコ



ハーバード氷河とダウナー氷河の前で船はエンジンを静止させました。大勢の観光客が、小雨が吹き付けるのも厭わずに甲板に出て、氷壁が崩れ落ちる瞬間を見よう、White Thunder (白い雷)とも呼ばれる氷壁が崩れ落ちるときの轟音を聞こう、と皆息を潜めています。甲板でじーっと立っていると、かなり寒いです。私は、冬用のフード付きトップコートを着て、皮の手袋をはめていましたが、それでも「うーっ、寒い!」と思わず言ってしまいます。


写真では大きさを実感できませんが、氷壁は高さ100m超、幅1000m超はあるでしょう。巨大な氷河です。
ハーバード氷河


ハーバード氷河に接近


10分、・・・、15分。時間が静かに流れますが、氷壁の崩落はおこりません。昨日は晴天で気温も上がったため氷壁も緩んだため崩落を見ることができたようですが、今日は一転して小雨が降り気温も低いので、ダメなようです。残念!
ダウナー氷河 神秘的なブルーの氷壁


4日目(マッキンレイ遊覧飛行) 6日目(アンカレッジの街)