サン・ジェルマン大通りを西に歩いていくと、レンヌ通りとぶ つかる交差点で急に視界が開ける。ふと見上げると、その一角 にサン・ジェルマン・デ・プレ教会がとがった鐘楼を空にそび えさせている。パリで最も古いと言われる教会がこの街の中に 何の違和感もなく溶け込んでいることにあらためて感心する。 何気ないことのようだが、それは多くの人々の努力と良識の成 果に違いないと思う。この絵は教会の前のサン・ジェルマン・ デ・プレ広場からセーヌ川へぬけるボナパルト通りを描いた。 (1995年、油彩、F3号)