殿山わきみず坂の湧水(つくし野殿山市民の森の湧水)
市民の森あたりは、昔、殿様の屋敷跡だったと言い伝えられてきたところから、殿山と呼ばれてきました。そして、この山は、現在よりはるかに高く、広かったそうです。明治38年鉄道(横浜線)工事をする際、殿山の一部が掘り返されました。そこからは、縄文時代の住居跡や古墳が見つかり、たくさんの土器や、まが玉、水晶が発見されたそうです。古墳跡は長い間、蚕の桑置き場として使われていたそうですが、線路や区画整理でほとんどなくなってしまい、今では横穴古墳ひとつ残るだけとなってしまいました。東側の谷には湧き水が現在も残っており、当時も谷川の水とあわせ、この付近の人々の重要な水源であったことでしょう。
滝ノ沢源流
滝ノ沢源流は、東京都町田市本町田の滝ノ沢地区にある恩田川の源流のひとつで、毎年地元の協力で清掃活動などが行われているそうです。何年か前に、この源流横にマンションを作るという計画が!ですが結局貴重な源流という事もあり計画は中止になりました。2008年度から、滝ノ沢源流公園(仮称)として整備されていく予定だそうです。訪問日2009年12月7日
本町田清水児童公園の湧水
本町田清水児童公園に、滝ノ沢の一部と思われる地下水が勢いよく噴出しています。ここが本町田清水児童公園の湧水です。
芹ヶ谷公園の湧水
芹ヶ谷公園は、原町田と高ヶ坂の境に、ほぼ南北に細長く位置しています。公園内は、周囲に比べて窪地となっていて、両脇を雑木林に挟まれた里山に入り込む谷戸で、湧き水が豊富に湧き出て、湧水池を生かした自然公園でもあります。なお、その地形のためか、町田市の市街に近く町田街道にも近い場所でありながら、街中の喧騒からは遠く、静かで落ち着いた空間を成しています。
小町井戸
『この湧き水は小町井戸と呼ばれています。平安朝の昔、小野小町が病にかかったおり、この山に千日こもり、この水で目を洗ったところ全快したという伝説から出た名と言われます。また、仙人水とも呼ばれたらしく、「武蔵名勝図会」にその記載があります。 小町井戸は、ここから東南へ百メートル程の崖の下にある「滝つぼ」と呼ばれる湧き水とともに、小野路城の水源として使われたものと思われます。いずれも水量はわずかですが日照りにも涸れることがないと言うことです。』
菅原神社の湧水・井出の沢
菅原神社は、町田市本町田の鎌倉街道と鶴川街道とが交差する場所にある神社です。菅原道真公を祭神とした神社で、1630年(寛永7年)、当時の本町田村の大沢氏が土地を寄進して建立されました。湧水の名称「井出の沢」の名は、東京都指定の旧跡井出の沢古戦場にあります。1335年鎌倉街道の所要地であった町田村(現在の町田市本町田周辺)で、鎌倉を目指す北条時行軍と、それを食い止めようとする足利直義軍との間で激しく合戦が繰り広げられたと伝えられています。この辺りは神社の横の崖に湧き出る清水に因んで、「井出の沢」と呼ばれていましたので古戦場名になったようです。今では、「井出の沢」の名前は、この湧水池を差して残っています。
簗田寺の湧水
東向山簗田寺(りょうでんじ)は閑静な森と豊かな湧水に恵まれた曹洞宗寺院です。簗田寺は、桶狭間の戦いで今川義元本隊の場所を知らせ織田信長から勲功第一とされた簗田氏の菩提寺です。開創は一千年前、当地に平貞盛公が「東香堂」を建立し、室町時代に上杉憲定公が「東岳寺」とし再興された歴史があるそうです。現在の曹洞宗に属するようになったのは、江戸時代の初め(寛永6年)に埼玉県越生の龍穏寺第二十一世、鉄春嶺大和尚を開山とし建立されたそうです。簗田寺の湧水は、真東に向くご本尊様の背に日本庭園があり、裏山からしみでる湧き水が池に注いでいます。この池が「龍王ヶ池」で、鶴見川源流の一つです。
忠生公園の湧水
町田市の忠生一丁目に忠生公園という自然溢れる公園があります。1977年に一部が開園、1997年、山崎町側の谷戸部を整備し、現在の形に。面積8ヘクタールほどの公園ですが、多摩丘陵の典型的な谷戸の地形を生かした公園になりました。自然資源を生かした自然観察会や体験学習などができます。公園内にある忠生公園自然観察センター(忠生がにやら自然館)には、講習室や展示室などがあり、自然教育活動、自然資源を扱った展示公開、自然保護活動で利用できます。公園内の自然観察園は谷戸の地形になっていて、豊かな湧き水がわいています。公園のほぼ中央にある「源流の池」は、鶴見川の支流・山崎川の源流となっています。
鶴見川源流の泉
鶴見川は、東京都および神奈川県を流れる川で、流域面積235平方km、全長42.5kmの鶴見川水系の幹川で、一級河川に指定されています。源流の源泉は、町田市の北部、多摩市との境に近い上小山田町にある多摩丘陵の谷戸群の一角、田中谷戸(標高約170m)にある湧泉で、1日約1.300tの地下水が湧き出しており、鶴見川源流域では最大の泉です。画像を見て下さい、泉の中央から清水が湧き出ているのがお分かりだろうか、湧き出す水はとても綺麗で飲用が出来そうなぐらいです。その清流は、私たちの口には入れずにそのまま付近の水田に導かれ農業用水としても利用されています。
湧水は、地下水が地中から地表、湖沼、海などに自然に流れ出る現象です。湧水は、それ自体がかけがいのない自然であるとともに、周辺の自然環境とあいまって人々にうるおいとやすらぎを与え、身近な生き物にふれあえる場として、都市においては貴重なオアシスとなっています。湧水には下記の3タイプがあります。 ※台地の端にある崖線に沿った所(崖線タイプ)  ※台地面上の馬蹄形や凹地形など谷地形を呈した所(谷頭タイプ)  ※丘陵地では谷戸地形を形成している所(谷戸タイプ)。 谷戸タイプの湧水は、町田市や八王子市などの丘陵地に多数存在しています。、なかでも町田市の田中谷戸などが知られています。ただ、この谷戸がある丘陵地にも開発の波が押し寄せており、谷戸の湧水が消失の危機に直面しています。東京都環境局自然環境部がこんな「谷戸」を尾根線で囲まれた谷のうち(1)標高差が300m以内で、(2)谷底部を有する地形と条件設定したところ、多摩地域で404箇所が抽出され、「自然環境の資質による評価」を行ったところ、Aランクは5箇所、そのうち4ヶ所は町田市の谷戸でした。《野中谷戸(町田市上小山田町)西山中谷戸(町田市上小山田町)神明谷戸(町田市図師町及び小野路町) 白山谷戸(町田市図師町及び小野路町)》谷戸は、猛禽類(鷲鷹)を頂点とする生態系を形づくり、数多くの動植物が生息する生命の宝庫です。源流域の貴重な野生動植物の生息、生育環境にふさわしい自然空間を保護してほしいものです。
町田市(東京都)の湧水(8ヶ所)
東京都町田市の名水&湧水情報