水洗い

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私が機械を入手後に、まず実施するメンテナンスである、「水洗い」をご紹介します。

水洗い?

私が水洗いを知ったのは、CCAのメーリングリストでした。従来から、無線機に水をかけることは、タブーと思っていたので、初めはその効能については全く信じられず、無神経な人間がやる事としか思えませんでした。その後、日本の雑誌でも、水洗いの紹介記事について読み、少しずつ興味が湧くようになりました。


水洗いへの挑戦

私が初めて水洗いをしたのは、KWM-2を購入した時でした。その機械は、ヤニでシルク・スクリーン・プリントが褐色に変色しており、内部も汚れている古い機械だったので、駄目元で水洗いに挑戦しました。その結果、驚くほど綺麗になり、水洗いの効果に驚かされました。以下に、私が実施している水洗いの手順を紹介します。


水洗いの準備

水洗いのために、次の道具を準備します。

  • アンモニア:薬局で購入する
  • 紙片:取り外した部品に、名称をメモし貼付する
  • 刷毛
  • ぬるま湯
  • バスタオル
  • ドライヤー

機械の分解

水洗いをする前に、機械を分解し、取り外す必要がある部品を外します。

  • キャビネット
  • つまみ類
  • メータ
  • 真空管
  • クリスタル(バンド発信用、キャリブレータ用)
  • ダイヤル機構
  • PTO:ネジを外し、ビニール袋でカバー
  • メカニカル・フィルタ:ソケット式の場合

なお、真空管、バンド発信クリスタルは、数が多く、正しい場所に戻すのが厄介なので、紙片やポストイットに名称をメモしておき、貼っておくと便利です。


水洗い

アンモニアを20倍に稀釈した溶液を作ります。ヤニ汚れが激しい場合は、若干濃い溶液を使っても良いと思いますが、余り濃い溶液は、シルク・スクリーン・プリントを痛めますので、注意が必要です。アンモニア溶液を刷毛につけ、優しく機械全体を洗います。この時に、褐色に汚れた液体が流れ出るのが確認出来ると思います。この後、ぬるま湯を機械全体にかけ、アンモニア溶液を十分に洗い流します。


乾燥

水洗いが終わったら、30分くらい機械を放置し、良く水切りをします。私は、この後、機械を振って更に水切りをします。次に、バスタオルで機械を良くふきます。そして、ドライヤーで、水切りがしにくい隅等を熱し、水分を蒸発させます。この時に、プラスティックの部品には熱を当てないように注意します。最後に、日陰で1週間ほど放置し、完全に乾燥させます。


仕上げ

1週間程、良く乾燥させた後にワックスを塗り、グリスアップをし、仕上げます。この時、若干、錆が発生する箇所もあると思いますが、これは、綺麗になるトレードオフと考えます。最後に、通電をします・・・ Good luck!


(参考)

JG1XLV、荒井さんのサイトにも水洗いの記事が載っていますので、参考にして下さい。