32S-1、3

Top > コリンズのメンテナンス > 32S-1、3  
 

【凡例】 

 
改善 機能の改善
予防 予防保守
修理 不具合箇所の修理
修理 未解決の修理

番号 種別 内容 対応
32S1
レストアメニューの実施 全項目を実施
改善 スピナーノブが付いている 32S1はスピナーノブ仕様ではないので、オリジナルとおりに旧ノブと交換
改善 エンブレムうが色あせている ラッカーペインを塗装し、塗装が乾いた後に、ラッカーシンナーを用い、上から余分なペイントを落とす。(下地がメッキなので、簡単に落とせる)
修理 時々出力が出ない 75Sとの接続ケーブルの接触不良。接点復活剤でRCAコネクタを磨き、解消
修理 送信から受信への戻りが遅い VOX RECT(V10:6AL5)のカソードに付いているC120に0.02μFが付いていたので、正規の0.01μFに変更
修理 EMISSIONスイッチが固い 回転部にグリスアップし、改善。
32S3
レストアメニューの実施 全項目を実施
修理 送信周波数がXX.000MHzでもヘアラインが10度ほど傾いた場所となる 文字盤のスプラインナットを緩め、文字盤を回転させヘアラインが垂直の位置でゼロインする様に調整
改善 局発出力のダミーロードが無い RCAコネクタに100Ωを付けたダミーを作成
修理 RFアンプ(V6:6AH6)のスクリーン電圧がマニュアル上で120Vになっているが、実測値が208Vあった。 結果的にはこれで問題無し。この解決には非常に時間がかかったが、結局RにGain調整用のボリウムが挿入された事により、動作点が変わり、Egを上げた事が判った。
改善 PTOの発信管をローノイズの物に交換 V301を6AU6から7543に交換
改善 熱によるドリフト、部品の劣化対策 上蓋に冷却FANを取りつけ。
  • FANの仕様:ブック型12V
  • 本体のAC6.3V出力を整流しDC10V弱を供給。本体より給電することで電源スイッチと連動が出来る。また、給電する電圧は平滑コンデンサの値を変え、FANが静かに回転する電圧を選ぶ。
予防 真空管の全取替え 後日、21MHz以上でドライブ不足の不具合が発生、また、75S3Bでは感度が時間と伴に低下する不具合が発生したため、元の真空管に戻した。
改善 M型コネクタ付きのアンテナ・ケーブルを挿すために、M-RCA変換プラグを購入 5D2Vを挿したが、ケーブルの自重でRCAコネクタが外れる。結局、使えず諦めた。
修理 送信時、IGの立ち上がりが遅い 種々調査をしたが、原因が判明せず、放置。(解消せず==>15番)
10 修理 21MHz以上でドライブ不足が発生 RFアンプ(V6:6AH6)を購入した真空管に交換したが、それを元の真空管に戻したら解消した。
11 修理 2nd、3rdオーダーのスプリアスが大きい ドライブ、ファイナルの中和調整とNF調整を実施、3rdオーダーが−40dBまで改善した。
12 修理 ALCの0設定がドリフトする IFアンプ(V3:6CB6)を交換、ALC調整ボリウムを清掃し、若干改善。(解消せず==>15番)
13 修理 ALCの指示が0まで戻らない時がある メータの針の引掛りを推定したが違った。原因不明。(解消せず==>15番)
14 修理 時々出力が出ない 出力が出ないときにはIGが流れない。受信機からの局発の注入部のRCAコネクタの接触不良
15 予防 リキャップ 次の電解コンデンサ、カップリングコンデンサを交換
  • C3、C5、C8、C45、C87、C88、C115、C133、C143、C173、C176、C177、C184、C185

効果

  • IG立ち上がりが遅い不具合の解消
  • ALCの0設定がドリフトする不具合の解消
  • ALCの指示が0まで戻らない不具合の解消
16 修理 USBで出力が出ない EMISSIONスイッチが接触不良を起こし、バイアスがかからなかった
17 修理 EMISSIONスイッチの板バネが破損 東急ハンズでハガネを購入。必要な大きさに切り、取りつけ穴を開ける必要があるが、固く加工が出来なかったので、次の方法で実施した。
  • ハガネをコンロで焼き、徐冷を行う(鋼性を失わせる為に焼きなまし)
  • 必要な加工を実施(カット、穴あけ)
  • コンロで焼き、水で急冷を行う(鋼性・弾性を出す為に焼き入れ)
  • 鋼性を高くするために焼入れを繰り返す

焼き入れは難しく、焼入れをあまり多く繰り返すと鋼性が強過ぎてもろくなり、焼き入れが足らないと弾性が出ない(2回繰り返すのが良かった)

18 修理 メータがスムーズに0に戻らず、途中で引っかかる感じがする メータが戻る時に引っかかるので、以下の手順で修理した。
  • メータを本体から取り外す。
  • メータについている小さなネジ(3箇所)を外しメータを開放する。ネジにペイントロックが施され外れにくい場合は、除光液でペイントロックを剥がしながら外す。
  • 細心の注意を払いながら、内部から可動部を取りだす。
  • メータのピボットを緩め、楊枝の先に油をつけ、ピボットに注油
  • 可動部を元に戻すが、この時にメータのゼロ調整ネジを可動部の調整レバーに合わしながら戻す。
19 修理 BFO発信の波形が歪んでいる プローブを使用すると歪むことが判明。問題無し。
20 修理 時々出力が出ない 14番と同様な症状が再発。FREQ CONTROLのREC VFOでは出力が出ないがTRANS VFOでは出力が出る。ロータリースイッチの接触不良と推定し、スイッチの接点に接点復活剤を吹きかけ、一時改善したが再発。現在はスイッチを繰り返し動かしても改善しなくなった。

全く出力が出ないのではなく、1W位は出ているので、1stMIX(V4:12AT7)を交換。一時、出力が出るようになったので様子を見るが、再発。

受信機のPTO出力に接続しているRCAプラグを触ると、出力が変動。RCAプラグを分解したら、半田が外れかかっていた。半田付けをし直し、復旧。(半年掛かった)

21 修理 ALCの動きに違和感がある ALCのメーターの動きが思い。
原因はIF(6CB6)の劣化。交換後、メーターの振れは良くなった。