スロヴァキア:民俗楽器とダンスの旅 '98 -1-

* バンスカー・ビストリツァ *


ここでは、まず“音楽と文学の博物館”に行きました。
T.コブリーチェクさんの楽器の数々がたくさん展示されています。

コブリーチェクさんは、バンスカー・ビストリツァの
近くの村、トリチキーに工房を構える民俗楽器作りの名人です。
管、弦楽器はもちろん、ハーディガーディのような鍵盤楽器も作ります。
                                   → 楽器解説

      フヤラ(羊飼いが吹いていた、中央スロヴァキア特有の楽器。)
もたくさんあり、最上部が動物の形をしたものや、
ねじれた木の枝の形をそのまま生かし、杖のように見えるものもありました。

私が行ったちょうどそのころ、そこの博物館主催の
“バンド音楽の大会”が開催されていました。
世界各国から音楽学者や指揮者が集まってきていて、コンファレンスなどがあったようです。

その日は音楽を聴きに行く遠足があるので、私も一緒に行っていいといわれ、
マイクロバス2台分の世界中から集まった音楽学者たちに混じって、
フロンセク、クレムニツェ、ズヴォレンに行きました。

クレムニツェにある、14世紀に建てられた美しい教会で、 V.フサの弾いた、
スロヴァキアの作曲家J.ベッラのオルガン曲は、すばらしいものでした。

それにしても美人が多い


次の日の夜は町の中心の広場で野外の舞台がたてられ、

コブリーチェク氏のフヤラの演奏と
地元の民族舞踊団パルチザンの公演がありました。

スロヴァキアのダンスのどれもが、
衣装の華やかさも含めて見ていて楽しいものですが、
パルチザンの舞台では長いデュパークが見事でした。

デュパークとはブーツのかかとで床を踏み鳴らす踊りです。
目で見る躍動感と何十人もが一つになって作りだすリズムの波動が、
鳥肌が立つくらいの感動を呼び起こします。

曲のフレーズが全部終わらない内に観客から熱狂的な拍手が送られていました。


パルチザンのメンバー:出番前


民族舞踊団パルチザン   


その夜、若い音楽学者たちと近くの居酒屋でビールを飲んでいると、
別のテーブルからスロヴァキア人の学生がわらわらとやってきて、
私に代わる代わるに自己紹介し、握手してきました。何事かと思ったら、
日本のことを聞きたいからぜひこちらに来てくれと言います。

行ってみたら6人の学生全員が英語で質問をしてきました。
アジアの経済状況は今ひどく悪いけれどそれは日本のせいなのか、
日本では今どんなジャズが流行っているのかなど、残念ながら、

相手が私でなければよかった、と思うものばかりでした。






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