ライフ博物館めぐり Part 2
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(5)グライダー砲
「ライフの図形が無限に増えていくような模様はあるか?」という問題に答える形で、「グライダー砲」が1970年にW・ゴスパーによって発明されました。これはじつに見事な装置で、30世代ごとに新しいグライダーを1台づつ永遠に発射し続けます。
グライダーどうしの衝突もライフでは自然によく起こりますが、そのタイミングと位置をうまく合わしてやれば、「グライダー2台の衝突」のようにブリンカーやブロックや池を生じたり、2台ともきれいに消滅させたりすることができます。逆にタイミング等がずれると「2台衝突大惨事」のように、衝突の余韻が延々と続くことになります(バタフライ効果の一例)。
うまく衝突を組み合わしてやると、驚くなかれ「グライダー13台の衝突」でゴスパーのグライダー砲ができあがります。これは始めにブロック2個、池2個ができ、さらに2個の池にグライダーが衝突して2個の船に変わります。これに3台のグライダーが衝突することで、全体としてグライダー砲に変身していくという神業テクニックです。
先ほどのグライダー2台が衝突して消滅する反応をうまく利用してやり、グライダーをパルスに、グライダー砲をクロックパルス発生器に見たてると、ライフ・コンピュータの基本部品の一つである「NOTゲート」ができます。
(6)イータ(eater:食べる人)
イータは地味だが重要な脇役です。この7セルからなる不変図形は、たいへんタフな図形です。いろんな図形と衝突させても、いつのまにか元の姿を復元します。まるで別の図形を食べる様に見えることから、イータ(eater:食べる人)という名前がついています。
ライフをある一定の範囲に束縛したり、不要なグライダー流を吸収したりするのに利用されます。グライダー2台からイータ1個を誕生させることもできます。
(7)テトリスとペントミノ
- テトリス(またはテトラミノ)
4個の正方形で作られる図形といえば、御存じテトリスに登場する5種類(裏返して同じものは除く)の図形です。
- ペントミノ
5個の正方形で作られる図形です。12種類の図形があり、箱詰めパズルとして市販されているのでやったことのある人もいるでしょう。ほとんどは10世代ぐらいで消えるか不変図形になります。ただ一つの例外が下の図の一番右側にあるrペントミノで、定常状態に達するのになんと1103世代もの進化が必要です。rペントミノの追跡中にグライダーが初めて発見されたということです。
- さらに6個の正方形で作られるヘキサミノ?、7個のヘプタミノ??、8個の???、各自お試し下さい。
(8)繁殖する図形
グライダー砲のように無限に増え続けるライフ図形のグル ープ があります。
ここで紹介するの次の6種類です。
- 汽車ポッポ
- スイッチ機関
- 新型グライダー砲
- ロケット
- ブリンカー宇宙船
- 宇宙編隊(space rake)
汽車ポッポ以外はみんな「時間の経過に比例して」
ライフが増えつづける図形です。これに対して、「時間の経過の2乗に比例して」
ライフが増えつづける図形のグループがあり、これは繁殖家(breeder)と呼ばれ
ています。これにもいろんなパターンがあるのですが、本ソフトでは比較的規模の小さ
いbreederを一つ紹介しています。
理論的に最も速いスピードで成長する図形も発見されています。これがmaxという
名前で呼ばれるパターンです。まるで空間を埋めつくす勢いで成長します。
(9)その他のおもしろい模様
- サンダーバード
- 宇宙船の衝突1
- 宇宙船の衝突2
- 刈り入れ機
- 滑走路の照明
- ボート工場
- パン工場
- 何が生まれる
- Sとグライダー