シテ島はシーザーの『ガリア戦記』にも登場する「パリ発祥の地」なのだそうです。

このciteから英語cityができたとのこと。

ノートルダム(Notre-Dame）は��我らが貴婦人�≠ﾌ意味で、聖母マリアを指すのだそうです。

ゴシック建築を代表する建物で、ここでナポレオン・ボナパルトが戴冠式を行いました。

左の写真は、セーヌ川を挟んだ対岸から、大聖堂の斜め後方を撮ったところです。

正面はあいにく工事中でした。 　＜正面＞↓

正面中央の丸窓が, ステンドグラスで有名なバラ窓です。　　↓

左の写真は内部と裏庭から見たところ。

子どものころに見た映画「ノートルダムのせむし男」を思い出します。
ユーゴー原作の、美しい踊り子エスメラルダを巡る, 醜い鐘突きカジモドの悲劇はここが舞台でした。

↑サント・シャペルは最高裁判所の隣にあります。

「聖なる礼拝堂」という意味で、ルイ９世がコンスタンチノープルから持ち帰ったキリストの聖遺物（キリストのかぶった荊冠や十字架のかけら等）を納めるため、13世紀に王宮付属の教会堂として造営したのだそうです。

フランス革命期の混乱で、聖遺物は散逸してしまいました。

上の写真は一階で、天井が低く、王宮の一般の居住者のための礼拝堂でした。

細い階段を上がっていくと、二階（下の写真）は天井が高く、周囲はぐるりとステンドグラスが張り巡らされていました。これが王家のための礼拝堂で、ここに王は宮殿から直接通っていたのです。

このステンドグラスの繊細な美しさは「パリの宝石」と讃えられているそうです。

最高裁判所の隣にあるコンシェルジュリは、もと王宮の一部だったのが、フランス革命当時は国事犯の牢獄として使われました。　

マリー・アントワネットのほか、革命家ダントンやロベスピエールも処刑前ここに収容されていました。２年間で2700名がここから革命広場 （いまはコンコルド広場に改名） のギロチンに送られたのです。

生きて出ることはできないと言われた牢獄。

アントワネットは処刑前、独房で監視人付きの生活だったのですが、その様子が人形で復元されていました。

ガラス越しでしたが、左側が監視人、喪服を着て黒いずきんをかぶり、読書しているのがアントワネットです。

もとは16世紀に建てられた貴族の館だそうです。それをパリ市が購入し、市の歴史博物館になりました。

前庭に立っているのはルイ14世の像です。建物の壁面にもレリーフがほどこされており、凝った造りです。

内部にはフランス革命の歴史や各時代の遺品・記念物が展示されています。

その学習をかねてなのか、子どもたちも見学に来ていました。

左の写真は二階から見下ろした中庭の様子です。庭の植え込みの幾何学模様が、宮廷風です。

展示品の中には昔のシテ島の模型もあります。（右側の写真）

今と違って橋の上までぎっしりと家が並んでいます。その混み具合いが、いかにもパリ発祥の地という賑わいを感じさせます。

奥の高い建物はノートルダム大聖堂。

室内の装飾も、貴族の豪華な生活を思わせます。

猫や鶏、羊と犬、オウムや水鳥など、居ながらにして野外の風景を眺めているようです。

鏡に映る彫刻と孔雀の置物が面白い。　　↓

ミロのヴィーナスを背後から撮ったのと、斜め下から見上げた写真です。

紹介済みの写真と少し雰囲気が違って見えます。

参考までに1651年にアルル市で発掘された「アルルのヴィーナス」を。ローマ時代の作品だそうです。右手に持っているのはリンゴでしょうか。　　　↓

父がヘルメス、母がアフロディーテで、名前も両者から取られています。ニンフの一方的な恋慕による合体？で男女両性を具有することになってしまったギリシャ神話の美少年。

男女両性を備えた、完全性の象徴だという説もあるそうです。

予備知識がないとただの女性像と思って見過ごしてしまいそう。

ギュスターブ・モローは聖書や神話を題材にした幻想的な絵が特徴です。　　　↓
オイディプスとスフィンクス

「ガラテア」もギリシャ神話が題材です。

海神の娘で、白鳥の綿毛より柔らかく、その輝きは水晶より美しいとされるガラテアを、巨人ポリュペモスが岩場の隙間から目撃（のぞき見）している場面。

美しい裸身に心を奪われるポリュペモスの、叶わぬ恋の苦しみ・悲しみが現れていると言われます。（ポリュペモスは額にも眼がある）

そのいわれを知るまでは、女性の方が男性の面影を心に描いて、うっとり夢見ているのかと思っていました。

オルセーには左の絵もありました。

こちらは木陰の男性が闇に紛れていてわかりにくいのですが、それに気づけば上の絵と違って主題？は一目瞭然、間違えようがありません。

「のぞき見」という状況は同じでも、上の絵のような神話性のヴェールが無いと、不道徳で俗な感じがするから不思議です。

絵のわからなさと言えば、左の絵も何かいわれがありそうですが、そのメッセージが何なのかわかりません。

天使は男の子に描かれるのが多いのに、この絵は女性で、しかも兜をかぶっています。右手には鳥の羽（それとも草か？）を持っていて、仰向けの女性を踏みつけています。左手の動きや張り出した腹部にも何か意味があるのでしょうか。下の女性は拘束されているようでもないのに、なにゆえ黙って踏みつけられているのか。

何もかもが解説がないとお手上げです。素人にとっては、絵解きはなかなかの難題です。