パリは２度訪れたのですが、１度目のは写真からの読み込みなので鮮明度が異なります

この広場は、もと「エトワール広場」と呼ばれていました。凱旋門を中心に12本の通りが放射状に延び、その形が「星=エトワール」に見えるからです。
（ 鳥瞰図参照 ↓）

それが1970年に「シャルル・ド・ゴール広場」と改称されました。
パリが第二次世界大戦でナチス・ドイツに占領されたのを、ド・ゴール将軍が中心になって解放したことをたたえたのでした。

その広場の中央に建っているのがエトワール凱旋門です。

この凱旋門は、アウステルリッツの戦いに勝利した記念に1806年ナポレオンによって建設が始まりました。しかし完成したのは1836年で、1821年にセントヘレナ島で亡くなったナポレオンが凱旋門をくぐったのは、1840年にパリに改葬された時でした。

凱旋門の屋上から360度見渡せるパリ市街の風景は壮観です。

写真上の広い通りはシャンゼリゼ通り。まっすぐコンコルド広場に続き、「世界で最も美しい通り」と言われるそうです。
車道の両側にある歩道の並外れた広さには驚かされます。

この広い12本の大通りを作ったのはナポレオン３世治下の知事オスマンですが、その大工事で破壊されたパリの路地裏面積は7分の3に上ったそうです。

この工事で二月革命など反政府勢力を助けた複雑な路地がなくなり、反乱が起こしにくくなったとも。

写真下の右奥に見えているのがエッフェル塔。フランス革命100周年を記念して1889年に行われた万国博覧会のために建造。
当時は賛否両論あったのですが、現在はパリを代表するシンボルとなり、セーヌ川周辺と合わせて世界遺産に登録されました。

屋上にはこの螺旋状の狭い階段を利用します。

階段を登ると資料館があり、凱旋門の歴史を紹介していました。また土産物を売っている部屋もあり、中は結構広かったです。

階段は門の４つある脚の部分にあるのですが、資料館や店はその上に乗っかった桁（？）の部分にあるのでした。

凱旋門の真下の路上に、花束で囲まれた一角がありました。無名兵士の墓なのでした。

1920年、第一次世界大戦で１５０万人にも及ぶ戦死した兵士を代表して、身元不明の戦死者がひとりここに葬られました。その後、フランスのために命を捧げた人々すべての共通の記念碑となったのだそうです。

歴史は溯りますが、1885年ヴィクトル・ユゴーが亡くなると、遺体はこの凱旋門下に終夜安置され、若いロマン･ロランなどが通夜をしたそうです。

この広場には当初ルイ15世の騎馬像が設置され、「ルイ15世広場」と呼ばれていたそうです。

フランス革命の勃発により騎馬像は取り払われ、一時は「革命広場」と呼ばれましたが、その後「調和」を意味する「コンコルド広場」になりました。

この広場からエトワール凱旋門まで一直線に続いているのがシャンゼリゼ通りです。

写真の奥、通りの向こうの街路樹が尽きるあたりにかすかに凱旋門が見えています。

写真の槍の穂先のようにとがった金の柵は、下の写真のオベリスクの台座を囲む柵です。

広場の中央で一直線に空を貫くオベリスクは、台座からの高さが32ｍ、重量227トン、それが1833年にはるばるエジプトのルクソール神殿から運ばれてきたのだそうです。

その台座の手前の路上に埋め込まれているプレートがありました。
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それは「アントワネット、ルイ16世がここで処刑された」という内容のプレートなのでした

フランス革命の際、この広場に設けられたギロチンで、ルイ16世やマリー・アントワネット、さらにはダントンやロベスピエールたちが次々と処刑されたのでした。

その広場の夜景です。

脇では大観覧車が明るく輝きながらゆっくり回転し、オベリスクや遠くのエッフェル塔もライトアップされて明るく映えています。

観覧車とオベリスクの間にライオンの像がぼんやり見えますが、この下がメトロのコンコルド駅入り口です。

夜でもひっきりなしに車や人々が行き交い、活気に溢れていました。

訪れたのは１月の初めだったのですが、クリスマスの飾り付けか、シャンゼリゼ通りの街路樹はイルミネーションで飾られていました。

コンコルド広場から凱旋門まで２キロの街路樹が、延々とライトアップされているのですから見事です。

最近はもっときれいになっている様です。↓

エッフェル塔から見下ろした、シャイヨー宮の夜景です。

エッフェル塔には夕方登ったのですが、降りるころにはすっかり夜になっていました。

下りてから、振り返って見上げたエッフェル塔　↓

シャイヨー宮は1937年のパリ万国博覧会の時造営された新宮殿で、現在は海洋博物館、人類博物館、文化財博物館、映画博物館の４つの博物館になっています。

セーヌ川を挟んでエッフェル塔の対岸にあり、庭園を抱え込むように両翼を広げた姿が独特です。

グラン・パレとプチ・パレは1900年のパリ万博のために建てられました。グラン・パレはナショナル・ギャラリーや科学技術博物館として、プチ・パレは市立美術館として使用されています。

上のグラン･パレの写真の、向かって右側の屋根の端にある彫刻です。

屋根の上から勢いよく飛び出してくる迫力には驚かされました。
よく落ちてこないな、というのが第１印象でした。

こういう彫刻は和風にはないもので、洋風建築なればこそ、と思います。

グラン・パレの隣にあるプチ・パレで展示中の、絵画の中からひとつ紹介します。

フランスはカトリックの国だけあって宗教画が多いのですが、中でもマリアを扱った絵をよく見ます。

キリストの磔刑図だと、リアルなほど残酷で、見ていると不安や暗い気持ちにさせられます。それと反対にマリア像は、幼子イエスを抱いた図柄が多く、優しさに満ちてほっとさせます。

この絵も、芸術作品という以前に、そういう安らぎや希望を求めて描かれたのでしょうか。

グラン・パレとプチ・パレの間の道路をセーヌ川に向かって歩いて行くと、アレクサンドル３世橋に出会います。

この橋は1900年のパリ万博当時、ロシア皇帝アレクサンドル３世が寄贈したもの。
橋の隅にある巨大な柱の上には黄金の女神像やペガサスが立っていて、パリで最も美しい橋とも言われるそうです。

橋の向こうに見えるドーム付きの建物は、ナポレオンの墓が納められているアンヴァリッドです。この風景はパリの中でも有数の美しさだと言われています。

その橋の上から見下ろしたセーヌ川の風景です。

ちょうど観光船が橋の下を通っていきました。船から眺めるセーヌ川沿いの風景が人気なのだそうです。

セーヌ川の対岸にはエッフェル塔も見えています。

コンコルド広場からシャンゼリゼ通りと反対側に続いているのがチュイルリー公園です。

ここにはもともとチュイルリー宮殿がありました。1789年フランス革命の最中、ヴェルサイユ宮殿から連れ戻された国王一家がこの宮殿に住み、事実上パリ市民に監視される日々を送りました。

のちにナポレオンが再び王宮としたのですが、1871年パリ・コミューンの際焼失し、公園になりました。

写真中央にカルーゼル凱旋門が見えます。馬車と両脇に立つ黄金の兵士の像が、門の上で輝いています。
この門はナポレオンが建造したのですが、その小ささに不満でのちに大きな凱旋門の建設を命じたのがエトワール凱旋門だったのです。

さらにその奥に広がっている大きな建物は、ルーブル美術館です。

シャトレ広場は、“パリ発祥の地”とも称されるシテ島の近くにあり、９世紀末から堡塁（シャトレ）があったのだそうです。
堡塁は19世紀に壊され、ナポレオンのエジプト遠征記念碑が建てられました。この記念円柱の下部にはスフィンクスをかたどった像の噴水があります。（後ろ姿の人が見上げているのがそれ）

その右側に建つ塔は、サン・ジャック塔です。もともと１６世紀に造られた教会の鐘楼部分だったのだそうです。塔の頂上にはサン・ジャック（聖ヤコブ）の像が建っています。世界遺産にも登録されているそうです。

この塔はパスカルが大気圧の実験をしたことでも有名で、塔の下にはパスカルの像が建っています。

1612年にアンリ４世が造った、パリで最も古い広場だそうです。それでフランス革命前は「王の広場」と呼ばれていました。

赤い煉瓦と石造りの美しい建物が周囲をぐるりと取り囲む、ほぼ正方形の広場です。

建物の一角にはヴィクトル･ユゴーが住んだ家があるのですが、あいにく閉まっていて見学できませんでした。

この広場が、かつてバスティーユ監獄があった、フランス革命発祥の地です。

1789年7月14日、政治犯を収容する絶対王政の象徴であったバスティーユ監獄が、民衆の襲撃で陥落します。（当時収容されていたのは７人だけだったそうですが）

革命を象徴するこの日が、フランスの建国記念日となりました。

その建物は革命後に解体され、1803年にバスティーユ広場となりました。
広場の中央には、７月革命の犠牲者を弔う記念柱が立っています。

いつもは笑顔の妻も、この時ばかりはシリアスな表情。

ボン・デザール橋は1803年造られた歩道橋で、セーヌ川の中州にあるシテ島とボン・ヌフが眺められます。

ボン・ヌフは「新しい橋」という意味ですが、実はパリで一番古く1604年アンリ４世の時に造られました。

シテ島はシーザーの『ガリア戦記』にも登場する“パリ発祥の地”だそうです。ここから（仏語cite→英語city）という語ができたとも。

ヴァンドーム広場はチュイルリー宮殿の北側にあります。「平和通り」の意味だそうです。

この広場は1702年にルイ14世を称えるために設けられ、広場の中央には王の騎馬像があったとのこと。

しかし、その後ナポレオン１世が、ロシアとオーストリアの連合軍を破ったアウステルリッツの戦勝を祝って、トラヤヌス記念柱を模した円柱を建てたのでした。　　
円柱の上には、シーザーを模したナポレオンの像が立っています。

この記念柱は敵軍からの戦利品である大砲を溶かして造られたと言われています。

なお、この広場に面した建物の一角に、ショパンが過ごした最後の家があります。（今は宝石店になっている）

ここからは、街を歩いて目についたスナップを紹介します。
通りの名前は覚えていません。通りすがりの風景です。

最初の２枚はクリスマスの飾り付け。正月になってもクリスマスの飾り付けはそのままのようです。

この家の飾り付けを見ると、日本のクリスマス商戦ねらいとは違う文化を感じます。

これはヴォージュ広場での風景です。夕暮れに広場を通りかかると、弦楽合奏の美しい音色がが聞こえてきました。

かなり技量のある演奏で、とても幸せな気分になりました。

ヴォージュ広場ではいつもどこかで音楽家たちがこういうふうに音楽を奏でているのだそうです。

メトロの構内でも、同様の演奏風景を何度も見かけました。さすがは芸術の都。　↓

左はどこかの駅の出口の風景だったと思います。

腰掛けたままじっと夕暮れの街を眺めているのは、観光客だったのでしょうか。

ホテルはオペラ座のすぐ前の通りでした。
後ろの緑色の屋根の建物がオペラ座です。

オペラ座は1875年に完成し、バレーやオペラの殿堂として有名。
シャガールによる劇場の天井画も有名です。
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映画やミュージカルになった『オペラ座の怪人』も、ここが舞台です。

このタペストリは、初めてパリを訪れた時のホテル（凱旋門の近くでした）のロビーにあったものです。

このホテルはこぢんまりとして、家族的な雰囲気でした。その女主人と頼りないフランス語で会話を交わした時の写真です。

それでも１５分ほどフランス語で会話が続いたのですから、私もなかなかの心臓だったと思います。