このように多数並べられた微細ドットを人が観測すると、上右図のようにボケて広がった濃度の低い画像に見えます。ドット間隔を小さくして密にしますと、ドットがさらにボケてドットの存在が分からなくなり、一様な濃さの画像に見えます。またドットを小さくしますと、最初からドットの存在が分からない一様画像になります。このとき、ドットを密に配置しますと画像の濃さは濃くなり、ドット数で画像の濃さを表現できます。プリンターで使用する減法三原色を用いて人が識別できるドットの大きさの限界を求め、デジタル視覚特性を明らかにしています。この結果は、従来の視覚特性からも説明できるようになってきました

4.Target of Coilr Image Quality

1.人は紙上に記録された微細ドットをどのように見ているか?

このような装置を作成した場合、人が使いやすい装置でなくてはなりません。このように、人と装置との間を取り持つ中間領域をマンマシーンインターフェースと言い、 重要な役割を担います。デジタルカラー複写機では記録ドットの集合で画像の濃さを表すため、記録ドットサイズとドット配置が見やすい画像を与える重要な役割を果たします。ここでは、どの程度まで記録ドットを微細化すればよいかドット配置と共に研究した結果を示します。

下図左は70ミクロンの微細ドットを500ミクロン(0.5mm)間隔に横軸方向に多数並べ、人が30cmの明視の距離から観測しているドット画像の一部を予測したものです。縦軸は記録ドットの濃さを示しています。再現には下の二次元Fourier 級数と、従来からテレビなどの開発に使用されている視覚特性を用いています。

     3.最新の筆者投稿論文紹介
平成20年の「日本画像学会誌」171号:VOL.47,NO1,PP3-9,”識別可能なドット粒径とデジタル視覚特性” および同PP10-17,”デジタル視覚特性と再構成画像による画像解析”に、微細ドットの大きさと密度さらにドット配列から、今まで人が感覚的に捉えていた画質を人のデジタル視覚特性を用いることで予測できることが示してあります

2.微細ドット配置によって画像が大きく換わります。

微細ドットの密度を変えて画像の濃さを変えるときに用いるドット配置をディザパターンと言いますが、このドット配置によっても画質が大きく変化します。それでは、実際のプリンターで記録した各種ディザパターン画像を見てみましょう。現在も、どのようなパターン配置が良いか専門学会でいろいろ検討されています

2次元Fourier 級数