プレリュードの付属品組み込み

ボディカバーをリフォームする

ミシン
延べ3日かけてカバーをリフォームします


クルマの必需品

クルマに愛着がある割りに、たまの遊びにしかクルマを使わない自分にとっては、ボディカバーは必需品です。ボディカバーは、マイカーを手に入れた当初から(四半世紀の)使用遍歴がありますが、市販のままで満足できる製品は(残念ながら)一つとしてありませんでした。

少し手直しすれば『残念!』な思いをせずに済むので、ボディカバーはリフォーム必須です。

私家版「悲しい時…」

悲しい時…嵐が過ぎ去った後、ボディカバーが消え失せていた時…。

悲しい時…嵐が過ぎ去った後、ベルトで留めたボディカバーが地べたに拡がっていた時…。

悲しい時…嵐が過ぎ去った後、縫い目に沿って二つに裂けたカバーの残骸がクルマにへばりついていた時…。

悲しい時…嵐が過ぎ去った後、裾のゴムひもが切れてカバーがめくれ上がっていた時…。

悲しい時…野良猫がクルマの上に跳び乗って、新品卸したてのカバーに三つ大きなカギ裂きを開けられた時…。

悲しい時…大気汚染の雨が染み込んで薄汚れたカバーを、素手で触った時…。

悲しい時…カバーを外す際、軽く手で引っ張っただけでカバーの布地が裂けた時…。

悲しい時…帰宅間際に雨が降り出し、カバーを掛ける暇がなかった時…。

悲しい時…雨の中でクルマを出すことになって、濡れたカバーを仕舞う時…。

悲しい時…風が強くて、掛けようとしたカバーが追風の帆になった時…。

悲しい時…

ボディカバー雑感

ボディカバーが強風に遭って飛ばされないためには、カバーの裾をきつく絞り、車体の底にベルトを通して締めておくことが肝要です。

カバーの裾が絞れるのは、クルマの前後オーバーハングの部分だけです。カバーを掛けて、絞った裾が強い張力を保っていると、飛ばされにくくなります。

初期の頃から、裾を(衣類用の)ゴムひもで絞るカバーを使っていました。使い勝手はいいのですが、強風の度に捲れ上がって何度も飛ばされました。最初に手掛けたリフォームは、(申し訳程度の)細いゴムひもをより幅広なものに付け替えることでした。程度の差くらいの効果はありましたが、経年劣化で(パンツのゴムひものように)『緩く』なる点は変わりませんでした。

カバーの裾を(普通の)紐で絞る製品を使ってみたこともありましたが、絞込みの使い勝手の悪さは想像以上で、すぐにリフォームしました。

ボディカバーには、ドアミラーのポケットが付いている製品と、付いていない製品とがあります。

プレリュード(のようなクーペ)のドアミラーの位置は、市販のポケット付き(セダン用)のカバーとは相性がよくありません。かといって、ポケットなしのカバーを使っていると、短期間のうちにドアミラーの塗装が広く剥げてきます。やはりドアミラーのポケットは必要ということで、現物合わせのリフォームでポケットを取り付けます。

ボディカバーとリフォームの材料を取り揃える

ここしばらくは(ポケットなしの)同じ製品を使っています。裾の絞り具合とドアミラーの位置決めで、前回のリフォームの経験が活かせます。

ボディカバーとゴムバンド
ボディカバー(セダン用)とゴムバンド

裾を絞るのにゴムバンドを利用します。ホームセンターで安価なゴムバンドが入手できます。タイヤチューブのリサイクル品のようで、それ程長くは伸びません。前回リフォームに使った幅10mmのものは経年劣化でちぎれたので、今回はもう少し大き目のものを使ってみます。

ドアミラーのポケットを作る布地は、できればカバーと同じ素材を使いたいところです。カバーに付属する収容袋を再利用できた製品もありましたが、なければ代替品を別途用意します。ここでは前回同様、タイヤ保管用のカバーを利用しました。ボディカバーより若干薄く、先に経年劣化で裂けてきましたが…

ドアミラーのポケットを作る布地
ドアミラーのポケットを作る布地 50×55cm四方で2枚裁断する

リフォームに使うミシン糸は、帆布でも縫えそうな(?)丈夫な糸を用意します。今回は皮革工芸袋物用のナイロン糸を手芸の専門店でを入手しました。

旭化成レオナ66のミシン糸
ナイロンの丈夫なミシン糸

リフォームに着手する

このボディカバーは裾を紐で絞る製品なので、まずここからリフォームします。紐は裾の途中で縫い付けられています。縫い込んだ糸を切るのは「縫糸切り」がとても重宝します。補強縫いでも、何度も縫い損ねては「縫糸切り」のお世話になりました。

長々と紐を引き抜いた後、紐の引き出し口はゴムバンドが通るように裾を揃えて縫い合わせます。

カバーの裾を絞る紐

カバーの裾を絞る紐

縫糸を切る

紐を留めている縫糸を切る


長い紐を引抜く

カバー1周分の長い紐を引抜く

紐の引き出し口

紐の引き出し口を縫い合わせる


ボディカバーの紐
もったいないので残しておきます

ボディカバーは強い陽射しや風雨にさらされ、布地も縫糸も次第に痛んできます。使用中に縫糸が切れて縫い目に沿って一気に裂けてきても、既にカバー全体が薄汚れていて、室内に持ち込み縫い直しするのは相当躊躇します。

製品を裏側から見ると、一重縫いの細い糸が張力のかかる布地を縫い合わせているだけなので、さらにその上から補強縫いします。

補強縫い

補強縫い

さらに補強縫い

さらに補強縫い


ドアミラーのポケットの縫付けは、このリフォームのハイライトです。ポケットの大きさと取り付け位置は、ドアミラーを折りたたんだ状態での現物合わせの寸法としますが、前回のリフォームを参考に予め寸法を割り出しておきました。

ポケットは、50×55cmの一枚ものを30×15×15cmの袋の形に縫製します。それをカバーの裾から高さ88cm前端から180cmの位置に待ち針で仮止めしてミシン掛けしました。ポケットの四隅を直角に縫い付けるところが、やや技巧的(かつ、強引)です。

待ち針で仮留め

ドアミラーのポケットを待ち針で仮留め

ドアミラーのポケットを縫い付ける

ドアミラーのポケットを縫い付ける


拡げれば部屋一杯の大きさになるカバーをミシン掛けしているので、布地を上手く裁かないと布地の裏側を不用意に重ねて縫い込んでしまうことがあります。補強縫いでカーブする箇所はその典型です。直線縫いでも油断していると、表に返して不細工な縫い目を見ることになります。縫い目を解いて、やり直しです。

ドアミラーのポケットの縫付けが終われは、裏側から慎重に口を開きます。纏り縫いなどの処理はしませんが、経験上特に不具合は生じませんでした。

補強縫いの不細工例

補強縫いの不細工例(下側の縫い目)

ドアミラーのポケットを切り開く

ドアミラーのポケットを切り開く
(マウスオンでロールオーバー)


車体の下をくぐらせるベルトと留め具をカバーの裾に縫い付けます。カバーの前後の裾にもベルトの輪を付けます。後ろの輪にはロープを繋ぎます。

クルマにカバーを掛けるときは、クルマの底の牽引フックにロープをくくりつけ、クルマ前方に向かってカバーを拡げます。少々の風でも流されず、容易にカバーを掛けられます。

カバー裾の留め具

裾の留め具、ベルトを用意する

カバー裾の留め具、輪、ベルト

カバー裾の前後/左右の中心に


カバーの裾を絞るゴムバンドは、リフォームごとに長さを変えて引っ張り具合を試してきました。

きつく絞れば強風でも飛ばされ難くなりますが、ゴムバンドの長さが十分でないと、カバーの裾も十分に拡がらず掛け難くなります。無理に引き伸ばそうとすると、ゴムバンドを引き千切るか、ゴムバンドを縫い留めている裾を引き裂きます。ゆるく絞ればその心配はありませんが、強風が吹く度に裾が捲れ上がりカバーの用を成しません。

ゴムバンドは、直接ミシン掛けで縫うことができません。そのため、ゴムバンドの両端にベルトを手で縫い付け、そのベルトの端をカバーの裾にミシン掛けで縫いつけます。

ゴムバンドを細めにカット

袋縫いの裾に合わせ15mm幅にする

ゴムバンド両端の補強

ゴムバンド両端にベルトを接着


ゴムバンドにベルトを縫い付ける作業は、縫針の抜き刺しに力が要るため手縫いは一苦労です。帆布・皮革などに使う(蝋引きタコ糸の)ソーイング・ツールが便利に使えます(登山用品店で見つけました)。

補強縫い

ゴムバンド端のベルトをタコ糸で縫い付ける

ゴムバンドを通す

カバーの裾にゴムバンドを通す


ボディカバーの裾の袋縫いの縫い目を少し解いて、ゴムバンドを中に通します。今回は、前後ともゴムバンドの長さは150cm、ボディカバーの裾は(縁に沿って)前は330cm、後は300cmの長さを絞りました。

ゴムバンド端のベルトを裾にミシンで縫い留めて、ようやくリフォーム完了です。

リフォーム完了時のミシン糸残り
200m巻きの糸車も残り僅か

洗車、そしてボディカバーの更新

先に使っていたボディカバーのゴムベルトがちぎれた機会に、新しいカバーを買ってきてリフォームに着手し、土日だけの作業で2週間経ちました。その間はカバーなしです。あいにく連日の梅雨にクルマを雨ざらしにしていました。梅雨の合間をみて急いで洗車し、出来たてのカバーを掛け一息つくことができました。

クルマにカバーを掛ける
梅雨の合間の洗車 クルマにカバーを掛ける
(マウスオンでロールオーバー)

2週間雨ざらしの間に、フロントガラス下のワイパー周りや、トランクリッド周りの溝には、駐車場のそばに立つ樹木から降り落ちた枯葉や木屑が堆積していました。洗車の前に掃除です。薄汚れていてもボディカバーを掛けていれば、このようにはなりません。カバーの有難みを改めて実感しました。

嬉しい時…薄汚れたカバーを捲りとって、光沢褪せないヘッドライトがそこにある時…。


追記

カバーに大きなカギ裂きを開けられました。新品を卸してから1年5ヵ月経過し、布地の強さが目に見えて劣化しはじめる頃合いです。

ドアミラーのポケットは劣化著しく、指で軽く布地を引っ張るだけで簡単に裂ける様になりました。ボディカバー本体はそこまで劣化していませんが、猫が爪を立てて飛び乗ると大きな裂け目ができてしまいます。

カギ裂き
カバーのカギ裂き
(マウスオンでロールオーバー)

次のボディカバーを新調するまで、テープを貼り合せて応急処置します。因みに布ガムテープは、薄汚れた布地の裏にもよく粘着しますが、補修用には不適です。夏の暑さで溶け出した糊が車体に付着して乾燥硬化し、その汚れをこそぎ落そうとして車体の塗装まで深く傷つけたことがありました。


追記(その2)

台風が過ぎ去った翌朝、クルマのボディカバーが真っ二つに裂けていました。

そろそろ取替え時かと、新しいカバーを買い置きしていたので、次の休日にリフォームに取り掛かることにします。

ボディーカバー破損
使い始めて2年3ヵ月間、クルマを保護してくれました

まず破れたボディーカバーから前後裾絞りの(ベルト付き)ゴムバンド、裾の留め具とベルトを回収し、再利用に充てます。ゴムバンドの劣化が気になりますが、ボディーカバーの布地の劣化より先にちぎれた場合にゴムバンドの入れ替えができるよう、ベルト留めを予備に縫い付けておくことにします。

ドアミラーのポケットは前回縫製した残りの布地を使います。袋は浅くても十分なので、仕上がり寸法は34×20×10cmにします。ポケットの取り付け位置は、前回の仕上がりがやや下側寄りだったので今回の縫製では修正しました。前々回、ポケットを縫い着ける前に一旦ボディーカバーをクルマに掛けて、現物合わせでカバーの上に印をつけ寸法を記録しましたが、今回はクルマの外形に沿ってメジャーを当てドアミラーの位置を測りました。

ただ、立体裁断・縫製のボディーカバーを居間に広げても、ドアミラーのポケットの位置決めは思ったほど容易ではありませんでした。

ドアミラーのポケットを作る

ドアミラーのポケットを作る
(マウスオンでロールオーバー)

ドアミラーのポケット

ドアミラーの位置にジャストフィット


今回縫製したドアミラーのポケットには、補強の布を重ねて縫い着けておきました。

ゴムバンドの手間が省けて、休日の2日間で仕上がりました。居間にカバーの布地を広げ、前かがみのあぐら姿勢でミシン掛けするので、長時間の縫製作業は腰にきます。

ボディーカバー
ボディーカバーリフォーム 出来上がり

台風の後、好天続きだったので、クルマもあまり汚れずに済みました。


追記(その3)

梅雨の合間、突風に煽られてカバーが破損しました。裾のゴムバンドがちぎれています。裾が緩むと少し風が吹いてもカバーが捲れ上がってしまいます。
早速、修繕にとりかかります。

ゴムバンドを留めている裾の縫い目を少し開いて、中のゴムバンドを引き出してみると、途中できれいに切れていました。3年の経年劣化です。

カバーの裾

カバーの裾が緩む

ゴムバンド

ちぎれたゴムバンド


劣化したゴムバンドは取り除いて、新たに荷造り用途の太いゴム紐を裾に通します。ゴム紐の長さを調整して、カバーを作り直したときに設けたベルト留めの予備に舫い結びでくくりつけ、裾の中に納め、開いた縫い目を元通りにミシン掛けして、修繕完了です。

ゴム紐

裾にゴム紐を通す

ベルト留めの予備

ベルト留めの予備にゴム紐をくくりつける


今回の修繕はボディカバーの前側だけです。後側はしばらく様子見です。


追記(その4)

前の裾のゴムバンドがちぎれて3か月後、後ろのゴムバンドがちぎれました。

後ろの裾は、中央の紐でクルマの牽引フックにくくりつけているので、風が吹いてカバーが捲れ上がることはありませんが、風を受けて帆のように大きくはらみ、雨避けになりません。
台風が来る前に、修繕しておきます。

要領は、前と同じです。カバーを新調して1年になります。布地はまだしっかりしていますが、後1年くらいは持ちこたえてほしいところです。


追記(その5)

台風にあってクルマのボディカバーが裂けました。

1年前に買い置きしていたカバーの出番です。休日の3日間を使って縫製作業します

ボディーカバー破損
使い始めて3年間、クルマを保護してくれました

ドアミラーのポケットは経年劣化で既にボロボロに破れていました。ボディカバーが裂けてようやくリフォームに重い腰を上げたというところです。

ボディーカバー
ボディカバーリフォーム 出来上がり

ドアミラーのポケットの布地は、今回調達したタイヤ保管カバーの製品の使い回しで、少し厚地になりました。

毎度のリフォーム、何かと面倒ですが、クルマは汚れや陽射しから保護され、洗車・ワックス掛けの手間がかなり省けます。一般に樹脂製のヘッドライトは次第にその表面が曇ってくるものですが、このクルマは17年あまりたって霞もありません。


追記(その6)

近畿に記録的な強風と高潮の被害をもたらした台風で、クルマのボディカバーも裂けました。

2年目で布地が脆くなった頃合い、台風の直前に注文したのが間に合いました。次の連休の2日間がリフォーム・デー。

ボディーカバー破損
卸して2年目に強烈な台風に遭いました。

ボディーカバー破損
真っ二つに裂けました。

一日目がカバー本体の補強縫い、二日目がドアミラー・ポケット作成・縫い付けと裾周りの作業です。

ドアミラー・ポケットの型紙
ポケットの大きさの型紙

ドアミラー・ポケットの縫い付けで、ボディーカバー上の位置決め・仮留めに毎度難儀していましたが、型紙を使えば楽々・確実でした。

ドアミラー・ポケットの袋縫い
型紙を使ってドアミラー・ポケットの位置決め
(マウスオンでロールオーバー)

台風後、雨ざらしで放置していたので、洗車・ワックス掛けしました。よく見ると、クルマの窓ガラスにも飛来物が当たった痕跡がありました。

ボディーカバー
ボディカバーリフォーム 出来上がり


つづく

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