大分市の府内城跡(大分城址公園)から南に延びる長さ約400m、幅約10mの南北に細長い緑道公園が遊歩公園です。 大分県庁の本館と別館の間に位置しています。 この遊歩公園には、大分と西洋文化の繋がりを見て取れる銅像や、 大分が輩出した偉人・瀧廉太郎の銅像などが点在しています。

府内城跡の入口、国道197号の県庁北交差点には、 遊歩公園を挟んで両脇に、『聖フランシスコ・ザビエル像』と『西洋音楽発祥の碑』が建っています。 ザビエル像の背後の世界地図に書かれた赤いラインは、ザビエルが日本へ到着するまでの道筋を示しています。 聖フランシスコ・ザビエルと大分との繋がりは、ザビエル像の石碑に刻まれています。

日本にキリスト教を伝えた 聖フランシスコ・ザビエル は、日本に渡来し、鹿児島、平戸、山口で布教した後、 1551年(元文20年)9月、大友宗麟の招きで大分で布教しました。 そしてその地で西洋文化が目覚ましく開花したのです。
少年たちはビオラを弾き讃美歌を歌います。これが日本で唱歌を歌った最初なのです。 またクリスマスには日本最初の西洋劇が演ぜられました。 更に日本で初めての洋式病院があり、その他初等学校、問答学校、通訳学校、伝道士学校、コレデオもありました。 (聖フランシスコ・ザビエル像石碑より抜粋)

伊藤マンショ は、日向国都於郡(の宮崎県西都市)生まれの、 安土桃山時代から江戸時代初期のキリシタンで、天正遣欧少年使節の主席正使、 イエズス会員でカトリック教会の司祭でした。
伊藤マンショは豊後国でキリスト教と出会い、司祭を志して有馬のセミナリヨに入りました。 1582年(天正10年)キリシタン大名の名代となる使節をローマに派遣する(天正遣欧少年使節(てんしょうけんおうしょうねんしせつ)際、 マンショは大友宗麟の名代として選ばれました。

みどりのかげ は、大分県出身の彫刻家・朝倉文夫の作品。 また 健ちゃん は、北村西望による作品です。

フランシスコ・ザビエルが大友宗麟の招きによって大分で布教したのは1995年であり、 その6年後には、この地に日本最初の洋式病院が建ちました。 ポルトガルの青年医師アルメイダにより、内科はもとより、日本最初の洋式外科手術が盛んに行われていました。 病院には外来の他、入院設備もあり、1562年には入院患者が100人を超えており、 更に巡回診療も行われていました。 患者はこの新しい医療に憧れ、京都や関東からも訪ねて来ました。 またこの病院に日本最初の医学校が併設され、若き日本人が西洋医学を学びました。 (西洋医術発祥記念像より抜粋)

瀧廉太郎 は、1879年東京に生まれます。 彼の代表作である「荒城の月」の曲を構想したのが、当時彼が住んでいた大分県竹田市の 岡城址 である(と共に富山県富山市富山城でもある)ことから、 『瀧廉太郎⇒岡城址⇒竹田市』という結びつきしか思い浮かばなかったのですが、 肺結核を発病した廉太郎が人生の最後を過ごしたのは、ここ大分市稲荷町(現:府内町)だったのです。 また、彼の墓所は大分市金池町の万寿寺です。
瀧家の先祖が大分県日出町出身であり、廉太郎の父も明治に上京するまで日出で暮らしていた事から、 大分県は父の故郷としてゆかりが深かった様です。

府内(大分市)に日本最初の洋式病院を建てた医師アルメイダは、ザビエルが去った3年後の1555年(弘治元年)には 府内に来ていました。 当時日本は戦乱が続き、国民の中には貧窮の余り嬰児を殺す風習があり、 これを知ったアルメイダは自費で育児院を建て、これらの嬰児を収容し、乳母と牝牛を置いて牛乳で育てました。 これは近世に於ける福祉事業の先駆けです。 (育児院と牛乳の記念碑より抜粋)

大分にキリスト教が布教されて9年後の1560年(永禄3年)のクリスマスに、府内(大分市)のキリスト教会では 信者によって、「アダムの堕落と贖罪の希望」「ソロモンの裁判を願った二人の婦人」等々の 西洋劇が演ぜられました。これが日本における洋劇の最初です。
以来、府内教会ではクリスマスや復活祭に、聖書に基づく数々の宗教劇が演ぜられるならわしになりました。 (西洋劇発祥記念碑より抜粋)

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