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浄楽寺(横須賀)<阿弥陀如来坐像> 重文 運慶作
浄楽寺は鎌倉幕府の初代別当和田義盛が創建したものである。この像は、浄楽寺裏手の収蔵庫に納められた阿弥陀三尊像の中尊である。運慶壮年期の作とのこと。写実的で均衡がとれ、ふくよかでゆったりとした雰囲気の頼り甲斐のある阿弥陀様である。全てを見通しているかの整ったお顔を眺めていると、心の安らぎを得る。
リーマンショック以来の世界的経済の落ち込みも、昨年春先頃までは幾分の回復基調が見られたものの、ギリシャの債務危機以降急激な円高が進み再び経済の先行き不安定さが増して来ている。一向に明るいニュースは無く、こうした世の中にもう一度活を入れて欲しいという思いで本年も動の仏像を選ぼうとしたが、全てを受け入れてくれるかの阿弥陀様に静かにすがりたいという思いよりこの仏像を選んだ。
今回の作品は当初一回一回の彫りを加減しすぎ、立体感が充分出せなくなってしまった。特に頭部が暗いために後半に彫りの変化を充分付けることができ無くなってしまった。毎回のことながらなかなか思うような作品に仕上げられないという反省ばかりが残ってしまう。