楽器(セットアップ)

楽器が上達するためには、楽器のセットアップが適切に行われていることが重要です。
そして何より楽器は音色がいのち。その音色はセットアップ次第なのです。

◆弦高

弦高が高めだとパワーが出ます。ただし弾きにくい。低いと弾きやすくサスティーンが伸びます。低すぎるとビビる。音色と弾きやすさの折り合いで、好みの高さに調整します。
私はビビらないぎりぎりまで低くしてサスティーンを稼いでいます。
弦高が低いと中低音域の響きが豊かになります。

◆フレット

細いもの、太いもの、丸いもの、角ばったもの等様々なタイプがありますが、私は思いっきり太いフレットにしています。音の立ち上がりは細い方が良いようですが、太いフレットの方が弾きやすい。
基本的に私は弾きやすさを最重視してセッティングしています。
フレットが減ってくるとピッチが合いづらくなります。減ったらまずフレットのすり合わせ、さらにまた減ったらフレットの打ち替えになります。

上記楽器のセットアップは、信頼できる楽器店、修理店、ルシアー(製作者)に依頼しましょう。
私はいつも岩本さんに依頼しています。

お薦めCD

North of the Border / John Reischman

John Reischman: mandolin
Scott Nygaard: guitar
Todd Phillips: bass
Tony Torischka: banjo
Sally Van Meter: Dobro
...others

このCDが私のベストワンマンドリンアルバムです。
その音色の美しさは世界一!
名前から分かるとおりユダヤ系で、同じくユダヤ系のグリスマンに師事していたこともあるライシュマン。私のマンドリンにはこの二人のサインがあります。
録音やミックス自体あまりよくないが、その奏でる音色は極上。オリジナルが中心で、ラテンやジャズナンバーがもりあげる。珠玉のピッキングを堪能して欲しい。1993年の作品。
来日したときにピックを見せてもらったが、そのときは分厚いべっ甲の大きなおむすび形だった。このライシュマンのギブソンロイドロアーも弦高は低い。

ピック

フラマンでは、ギターのピックを使用します。
素材、形、厚さ、様々な種類がありますが、いろいろ試して自分に合うものを探しましょう。
初心者は小さめのティアドロップ型が取扱いが容易です。1〜1.2mmのあまり厚くないもので、とがった方で弾きます。

慣れてきたら大き目のおむすび型、1.3〜1.5mm位のもの。パワーが出ます。
私は暑さ2mmのべっ甲製を愛用しています。

お薦めCD

Gator Strut / Mike Mrshall

Mike Marshall: mandolin, single-string mandola, mandocello, mandola, Guitar, violin
Darol Anger: violin, cello
Tony Rice: guitar
Todd Phillips: bass
Bela Fleck: banjo
Jerry Douglas: Dobro
David Grisman: mandolin
...others

ピッキングのタッチの軽やかさ、歯切れよさではマイク・マーシャルが一番好み。
基本的にドーグ・ブルーグラス系のアルバムだが、クラシック、ジャズのナンバーも取り上げている。確かなテクニックとフレーズのセンスよさが光る、1987年の作品。

小物

◆チューナー

チューナーユニゾンの4コース、8本の弦を調弦するのは結構大変。
そこで素早く正確にチューニングするために、チューナーは必要不可欠です。多くのメーカーから様々なタイプが発売されてます。
オススメはクリップタイプのもの。クリップがピエゾピックアップになっており、これでヘッドをはさむことでチューナーに音が入力されます。
周りが騒がしくても自器の音だけを計測してくれます。

◆メトロノーム

上達の秘訣は、適正にセットアップされた楽器を、正確にチューニングして、毎日弾くこと。
そして、練習するときに必ずメトロノームを使用することです。 

リズムのエクササイズは2段階に分かれます。
まずは初心・初級者の段階でのリズムトレーニング。これはリズムをキープすること、基本的なリズム感を養う段階。
この段階ではまだ揺れがあっても、とりあえずCDにあわせて弾ける様になるまではがんばりましょう。ジャムセッションやフェスに出かけて人と合わせることができるくらいに。

次の段階が中・上級者が、表現手段の一つとして、グルーブを生み出すためにリズムをコントロールする。こうなるためにはまず縦がしっかりしないといけません。(ぶれないオンタイムということ)
縦をちゃんととれないとつっこみ気味、もたり気味などのグルーブは当然出せません。

つまり、初心者の段階では、メトロノームに合わせること、上級者の練習法としてはメトロノームを活用すること。
練習にメトロノームは欠かせないもとの心得てください。

お薦めCD

Late As Usual / Sam Bush

Sam Bush: mandolin, fiddle, mandola, slide mandolin, vocals
Nancy Blake: cello, harmony mandolin
Norman blake: guitar
Curtis Burch: Dobro
Bela Fleck: banjo
Jethro Burns: mandolin
John Cowan: bass, harmony vocal

遅刻魔だというサム・ブッシュらしいアルバムタイトル。
フィドル・チューン、ニューグラスナンバーからファンクまで。ご機嫌なノリが楽しい1枚。
特にフィドルチューンは一緒に合わせて弾いて、グルーブを体得するお手本に最適。私は3曲目のNorman and Nancyは何百回と弾いたなー。
1985年の作品。

…つづく