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【ランタン・リルン】−その2

ゴラタペラへ

 10月27日、ゴラタペラへ。標高1000mちょっとのカトマンズから標高3010mのゴラタベラまで一気にヘリで上がるので、高度順応のため1日目はここに泊まる。ゴラタベラはカトマンズのトリブヴァン空港から飛び立てば、わずか15分の距離にある。ヘリポートはランタン・コーラの流れのすぐそばにあり、とても着陸出来そうにない狭い場所であった。ここには軍の兵士が駐在し、自動小銃を持った兵士が立っていて、ランタン国立公園のチェックポイントにもなっている。入園料一人1000ルピーを支払う。入園料はサガルマータ国立公園と同じだ。ここからゆっくり1時間歩いた所にロッジがある。

 10月28日。ゴラタペラから数キロ上流のランタン村へ。行程は短いが、高度を上げるにつれて息切れがして来る。ランタンはこの谷一番の大きな村。ロッジも沢山ある。トレッカーが多く、日本人のパーティ2組に出会った。勿論欧米人も多い。彼等の中には単なるトレッキングではなく、本格的雪山登頂を狙っているパーティもいた。大きな村とはいえ、ナムチェバザールのような大きさではなく、見物する所もない。コーヒーが飲めるレストランも見あたらないので、付近の丘までカメラのみ持参で登る。

 10月29日。ランタン村からキャンジンゴンパ(3840m)まで歩く。今回最長のトレイルだったが、それでも5時間程で着いた。これより先にはロッジがなく、全てテント泊になる、今回はテントを持参しないのでここが宿泊の最終地となった。ここに3日間宿泊する予定だったが、後述する事情で4日間も滞在する羽目になった。

キャンジンゴンパ滞在

 キャンジンゴンパ到着後 、時間があるのでキムシュン氷河の末端を見に行く。ロッジ裏手のゴンパ(チベット教のお寺)のそばを通り、大きな岩の間をランタン氷河のモレーンを左手下に見ながら北の方向に登る。登るに連れランタン・リルンが全貌を表してくる。途中左手へ向かうランタン・リルンBCへの道を見ながらジグザグに急登すると、目の前にキムシュン氷河の末端が広がっている。

 10月30日。ランタン谷のさらに上流へシシャパンマ(8027m)を見に行く。ランシサ・カルカへの途中のジャタンまで往復6時間以上の行程なので、昼食が必要になり、コックを帯同する。ロッジから30分ほどで谷の右岸から流れてくる小さな沢に出る。橋がないのでシェルパ達が石を運び急造の徒渉ルートを作る。この沢から30分ほど下った所に飛行跡がある。舗装などしていない荒れ地で、軽飛行機かヘリしか使えない飛行場だが、今は使用されていない。ただの荒れ地である。

 ここを過ぎてランタン・コーラの右岸をアップダウンを繰り返しながら高度をあげて行く。ランタン・コーラの川縁は氷河の影響からか砂がサラサラしていて遠くから見ると白く雪のように見間違える。小さな丘を登ると、目的地ジャタンのカルカ(放牧小屋)に着く。左上の屏風のような岩から滝が落ちており、川が流れている。この川の水を使ってコック達が昼食を作る。あちこちに粗末なカルカが点在しているが、人影はなく、ヤク、ナク、ウシ、が放牧されている。ナクは雌のヤクである。飼い主は冬が近づくと家畜を集めにここまで登ってくるらしい。

 ここからの展望は実にすばらしい。ポンゲンドブク、ガンチェンボ、ランシサ・リ、シシャパンマ(頂上は見えず、肩のみ)、遠くに小さく真っ白なドルジェ・ラクパ等々、ランタンリルン山系の峰峰が目の前に広がる。ランタン谷最高の景色である。ここで昼食を取り、のんびり休み、来た道をロッジまで引き返す。

 10月31日。 タルチョピーク登頂。最初キャンジン・ゴンパの真上に見えるタルチョがはためく“タルチョピーク”(4520m)を目差したが、ロッジからは見えないさらに北奥にもっと高い4773mのピークがあるので、タルチョピークには向かわずそのピークへ直登することにした。地図にはこのピークの名称は記載されていないが、日本人が分かりやすいように、その手前の低いピークにタルチョピークと言う名前をつけたのかもしれない。このピークからの展望は実に素晴らしい。ランタン・リルンはもちろんのこと、それに並ぶキムシュン(6745m)、ヤンサツェンジ(6543m)の峰々が手の届くかのような迫力で眼前に迫る。

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