15年ほど前に我が家にやってきたこの
Rockwell CollinsのHF-8014A、これといった故障箇所もなく快調に動いていたものだから、つい億劫になりそのまま使用していた。その内段々使わなくなり、年に何度か通電するのみでほったらかしの状態であった。ところが昨年ごろから出力が出なくなった。いよいよメンテナンスをしなければと思っていたが、多忙にかまけてようやく今年の10月になって本格的にメンテナンスを始めた。
ところが、思っていたより重症で、オーバーホールになってしまった。最も製造後30年は経っているので、いいチャンスかもしれない。
このHF-8014Aは、いろんな方が紹介しているので今更の感があるが、スペックの大まかを紹介すると
     使用可能周波数   2MHz-30MHz  100Hzステップ
     使用モード      LSB USB ( 帯域 2.75KHzXtal FIL) CW AM ISB
     出力          0.2W
     オーディオ入力   600オーム0db バランス

HF-8014Aの故障と修理

測定ついでに3Toneで測定してみた。測定結果を見るとLSBの帯域内では、-58db近辺にノイズなどが見られるが特に問題はなさそうだ。ところが.3Toneは夫々-15dbでMIKE ANP AUXより入力しているが、スペアナ上ではf3の2500Hzが4dbほどレベルが下がっているのが気になる。

故障の現象は、まず出力が出ない、それにリモートでは周波数が変化するがローカルにすると周波数表示がおかしくなるという現象です。
まず、全てのボードをスロットから抜き出し目視でタンタルコンデンサーを点検をした。するとA8のIFボードの15Vラインのタンタルが明らかに焼損していた。これと念のために-15Vラインも交換しこれで直ったかと動作をさせてもダメだった。
それではと、電源の各DC電圧をチェックすると、DC24V.15V.5Vの電圧が出ていない。切り分けて調べるとDC24Vラインはショートその他はレギュレーターがダメであった。
レギュレーターはTO3型なので、手に入るまで3端子とTO3型のトランジスターでブーストして交換した。
この後、24Vラインのショート箇所を探したのだが、なかなか分からなかったがどうもPLL回路のどこかがおかしいと色々調べていったら3箇所のタンタルコンデンサーが不良であった。しかし最後までわからなかったのは、PLL基板の各スロットを差し込むマザーボードの裏側で、24Vラインを各スロットに供給するのだがこのパターンが焼損して無くなっていた、テフロンケーブルでジャンパーを施し事なきを得た。

左の写真は、電源部の安定化部分で、5Vと-15VのTO3型の3端子の代わりに小型の3端子とトランジスターの電流ブースターに代変えした様子。
新たに設置したベースBIAS用の抵抗が見える。ただ、スペースの関係上回路の短絡による保護回路をつけてないので,早急に交換するか、別ユニットを設置して保護回路を入れる必要がある。

別途掲載するがMIKE AMP系の整備によりAUX入力が可能となったので,各Exciter系統の2Toneテスト等が簡単に行えるようになったので、久しぶりにテストしてみた。

運用周波数の7MHzと3.6MHZでテストしてみた。
テスト条件は、f1が1000Hz、f2t@650Hzでセパレーションは350Hで、オーディオ2Tone出力0dbでRF OUTPUT0.2Wで調べたのが左の2枚の記録です。
3rdとキャリアーの差は54.8dbとなって居るのでDATA BOOKの規格内には収まっている


2枚目は3.6MHzでのデーターだが、周波数が変わった場合にデーターに変化があるか確認のためとったものだが54.5dbと、ほとんど差が出なかった。

正常に働いていても、波形と数値でDATAを見てしまうと、因果なものでもう少し良くならないかと何時もの癖が出てしまう。
そこで、図面を眺めながらいろいろ検討したがさすがcollinsさん、私なんかが考えることはすべて処理してあったが、ここはと思う2−3箇所の手直しをした結果が、左の写真だ。
先日のDATAと見比べれば分かるが、6db近く良くなった。ここから更に改善するのは、至難の技となりそうなので今回はここまでとすることにした。

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Rockwell Collins HF-8014A

HF8014Aの2tone IMD特性の測

(2010.11.23測定

左の写真は、メンテナンスキットのPLLユニット用のエクステンションカードにREF UNITを取り付け、内部のタンタルコンのショート箇所を探している様子。
ようやく全ての修理を終え、このエクステンションを使って各PLLユニットのVCOをマニュアルにのっとり再調整したが、微調整で指定のロック電圧が得られたので修理完了とした。
ところで、このHF80シリーズが中古市場に出回り始めた初期の頃には、、このエクステンション用のメンテナンスキットが(PLL.RF.IF.INTERFACE.CONTROL等6枚組み)手に入れられたが、最近はトンと見かけなくなった。
こうした冶具がないとこういったメンテナンスをするのには手間が掛かるのではないでしょうか?

左の写真は、White Noiseを入力した場合のスペクトラムだ。帯域内は多少のレベル変動があるものの,先程のように高域でのレベル低下が見られないので、原因はほかにあるのではないか?
スペクトラム的には10KHzスパンしかトレースしなかったが両肩ともに急峻に落込み、キャリアー漏れおよびUSBの漏れも見られず、-70dbから-80db近く間で減衰している

左は内部のスロットの様子だが、よくご存知の方はすぐに気がつかれると思いますが、中央右と下側に空きスロットがあるが、通常HF-8014Aは4CHのエキサィターで、中央右側の空きスロットには、450KHzのキュリアーを中心にLSBとUSB専用のIFボードがあり、さらにこの両サイドに、LLSBとUUSBのIFボードが挿入されて4CHを構成している。我が家のHF8014Aは、LLSBとUUSBのボードが挿入されておらず、当初より2CH仕様となっている。
我々の実際の運用には、4CHで送信する必要がないためこのままの状態にしてある。
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