Title9-3.GIF (2758 バイト) Europe85年   

69年 gya_l_bg.gif (1060 バイト)  gya_r_bg.gif (1063 バイト) 106年

ブリタニアでのローマ支配強化、ダキア王独立と侵入

クロニクル「ローマ帝国」    テーマ史《INDEX》   ホーム

概略

ネロ自殺の後の後継者争いに勝利したウェスパシアヌスは、属州の安定化をはかる。ブリタニア、シリアなどの支配を強化し、イスパニアにラテン市民権を賦与するなど内政面でも帝国の基盤を固めた。皇帝の位は、その子ティトス、ドミティアヌスへ引き継がれた。ローマ帝国は、74年には抵抗を続けていたユダヤのマサダ要塞を落とし、83年にライン川・ドナウ川の長城(リメス)を築造した。また、79年にはウェスヴィウス火山の噴火し、ポンペイが埋没した。ダキアのデケバルス王(〜106)は、85年、ローマ帝国のモエシア軍団を破りダキアを統一し、ローマ領モエシアに侵入しはじめた。


ブリタニアでのローマ支配強化、ダキア王独立と侵入
69年 シリア総督ムキアヌス、ダキア人のモエシア侵入を撃退
70年 ウェスパシアヌス、ローマに入城し正式に即位
ティトス、イェルサレムを占領・破壊し、属州ユダヤとする。(66年ユダヤ戦争、67ウェスパシアヌス、ユダヤ征服の後);第一ユダヤ戦争終わる
ティトス、ローマに凱旋門を建設(〜71)
71年 ティトス、帰国後父ウェスパシアヌスと共にプロコンスル命令権・護民官権限を受ける
ヤヌス神殿、閉鎖される
ケリアリス、北ブリタニアでブリガンテスを征服(〜74)
カピトリヌスのユピテル神殿修復される(70.6〜)
ウェスパシアヌス、哲学者をローマから追放
72年 アンティオコス4世を廃位し、コンマゲネを属州シリアに編入
73年 ウェスパシアヌスとティトス、ケンソルに就任;元老院改革及びスペインの全都市にラテン市民権を賦与
74年 死海西岸の最後の拠点マサダの堅塁を占領;ユダヤ反乱軍の残党自害
ブリタニア総督フロンティヌス、ウェールズでシルレス人を征服(〜ca.78)
ローマ、ゲルマニアに遠征
75年  ユダヤのアグリッパ2世とベレニケ、ローマを訪問
ユダヤ人歴史家ヨセフォス(ca.37〜ca.100)の『ユダヤ戦記』成立(〜79)
78年 ca.アグリコラ、ブリタニア総督となり、ローマ勢力を伸ばす(〜ca,84)
79年 ウェスパシアヌス没(69〜)、ティトス即位(〜81)
ウェスヴィウス火山の噴火;ポンペイ・ヘルクラネウム埋没。大プリニウス(主著『博物誌』)噴火で没
カエキナとエプリウスの陰謀発覚し、両者処刑される
80年 ローマ大火(3日間)
コロッセウム完成。ティトスの浴場完成。
81年 ティトス病死、弟ドミティアヌス即位(〜96)
ブリタニア総督アグリコラ、フォース湾・クライド湾を結ぶ城壁を築く(後のアントニヌスの城壁)
82年 ca.スペインのサルペンサとマラカの市法の碑文成る(現存)
83年 ドミティアヌス、カッティ族を従え凱旋
ライン・ドナウ川に長城(リメス)を築造
84年 ca.アグリコラ、グラウピウス山麓でカルガクス王の率いるカレドニア人を破るが、召還される
85年 ドミティアヌス、終身ケンソルに就任
ダキアのデケバルス王(〜106)、モエシア軍団を破りダキアを統一。ダキア人、ローマ領モエシアに侵入し戦う(〜89)


資料 塩野七生 『ローマ人の物語XIV キリスト教の勝利』
石橋秀雄他 『世界史大年表』
サイモン・ジェンキンス 『ヨーロッパ全史』