Title9-3.GIF (2758 バイト) Europe37年   

AD 14年 gya_l_bg.gif (1060 バイト)  gya_r_bg.gif (1063 バイト) 66 年

32年、イエス磔刑に処される

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概略

第二代ティベリウス帝の下で、周辺諸部族を制圧していたゲルマニクスが19年に毒殺される。また、ティベリウスとともに護民官となったドルススも毒殺され、後継者人材に暗雲が立ち込める。32年(*1)ユダヤ総督ピラトゥスは、ガリラヤのイエスを磔刑に処すことを命じた。この間、内政、統治には不安があったが、ゲルマン民族フリシィ族の反乱により、ローマのゲルマニア支配は後退した。


32年、イエス磔刑に処される
15年 ゲルマニクス、カッティ族・ケルスキ族と交戦
属州アカイア(ギリシア)とマケドニア、元老院所管から皇帝所管に移る
16年 ゲルマニクス、ケルスキ族に2度大勝利ののち召還され、撤兵。
ケルスキ族のアルミニウス、逃亡
17年 ゲルマニクス、凱旋式後オリエントへ遠征(〜19)、カッパドキアとコンマゲネ、皇帝所管属州となる
ローマで百年祭大競技
歴史家リウィウス(BC59〜)没。主著『ローマ建国史』
18年 ゲルマニクス、アルタクシアスをアルメニア王とする
ゲルマニクス、エジプトに渡る
19年 ゲルマニクス、アンティオキアで急死。
ペトロニウス法制定;奴隷主に奴隷の殺生与奪権を制限
ケルスキ族のアルミニウス暗殺される
20年 シリア総督ピソ、ゲルマニクス毒殺の容疑で告発され、自殺
21年  ティベリウス(第4回)とドルスス(第2回)、コンスルとなる
アエドゥイ族とトレウェリ族によるガリアの反乱、シリウスにより鎮圧される
22年 ドルスス、護民官権限を受ける
23年 セイアヌス、ドルススを毒殺し勢力増大(〜31)
24年 コルネリウス=ドラベラ、アウジアでアクファリナスを敗死させ、アフリカの反乱を鎮圧(17〜)
26年  ポッパエウス=サビヌス、トラキアの反乱を鎮圧
ポンティウス=ピラトゥス、ユダヤ総督となる。ユダヤ人に厳しいセイアヌスによる差配。ピラトゥスも厳しい統治となる。ユダヤ人の間で救世主メシア(ギリシア語で“キリスト”)への希望が高まったか。*3
27年 ティベリウス、カプリ島に引退;セイアヌスの勢力頂点に達す
 28年 ca.イエス、ヨルダン川にて受洗
ゲルマニア北部のフリシィ族、反乱に成功;ローマのフリースラント(*)支配、一時中断(〜47)
 29年 リビア没。ゲルマニクスの寡婦アグリッピナ、長男ネロ、セイアヌスに反逆罪を着せられ流刑となる(のち自殺)
ca.ガリラヤのヘロデス=アイティパス、洗礼者ヨハネを斬首刑に処す
30年 ゲルマニクスの次男ドルスス、セイアヌスにより幽閉される(のち獄死)
 31年 ティベリウス、(第5回)とセイアヌス、コンスルとなる。
セイアヌス、陰謀のため刑死
32年 ユダヤ総督ポンティウス=ピラトゥス、イエスの磔刑を命ずる
33年 財政危機、カリグラ、クアエストルとなる
34年 アルメニアのアルタクシアス王没。パルティア王アルタバヌスのアルメニア介入、ローマに阻止される(〜35)
37年 ティベリウス、ミセヌムで没(14〜)、カリグラ(ガイウス)即位(〜41、第三代皇帝)。カリグラ、コンスル就任。

 *  フリースラントは、現在のオランダ・ドイツの北海沿岸地方
 *  イエスが磔刑に処されたのは、32年の他、30年、33年など所説ある。 

資料 石橋秀雄他 『世界史大年表』
 *1 塩野七生 『ローマ人の物語XIV キリスト教の勝利』
 *2 サイモン・ジェンキンス 『ヨーロッパ全史』
 *3 佐藤健一『一神教』(集英社)