Title9-3.GIF (2758 バイト) Europe14年   

BC9年 gya_l_bg.gif (1060 バイト)  gya_r_bg.gif (1063 バイト) 37年

アウグストゥス没後、ティベリウスが第2代皇帝となる

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概略

アウグストゥスの称号を受けたオクタヴィアヌスは、アグリッパらとともに周辺部族を征服し、ローマ帝国の版図を再構築した。ガリア(現フランス)、ゲルマニア(現ドイツ)、ヒスパニア(現スペイン)、ノリクム(現クロアティア他)、ラエティア(現オーストリア他)、パンノニア(現セルビア他)、ダルマティア(現モンテネグロ他)、トラキア(現ブルガリア)、ボスボロス(クリミア半島)などが、属州として再編された。


アウグストゥス没後、ティベリウスが第2代皇帝となる
BC8年 アウグストゥスの権限、10年間延長
ボスポロス王妃デュミナス、王ポレモンを殺し、即位(〜18)
ca.マルコマンニ族、ドルススに攻撃されボヘミアに移住。マロボドゥウスの下に王国を建設
ca.文芸の保護者マエケナス没(BC70〜)。ラテン文学黄金時代(ca.BC40〜AD10)
BC7年 ティベリウス、スカンブリ族を征服
ca.イエス、ガリラヤで生まれる
BC6年 ティベリウス、5年間の護民官権限を与えられる
ティベリウス、ロードスに引退
BC5年 アウグストゥス、第12回コンスル就任
BC2年 アウグストゥス、第13回コンスル就任、「祖国の父」の称号を受ける
アウグストゥス、娘ユリアを不品行のため追放
フフィウス=カニニウス法制定される;遺言による奴隷解放を100人に制限
AD1年 ガイウス=カエサル、シリアへ遠征(〜2)
ガイウス、パルティア王フラテス5世と協約;パルティアのアルメニアへの不介入を約す
ガイウス、メディア王アリオバルザネス2世をアルメニア王につける(まもなく没)
2年 ティベリウス、ロードスから帰国
リキニウス、アッシリアで没、ルキウス=カエサル没
4年 ガイウス=カエサル没
ティベリウス、アウグストゥスの養子となり、ドルススの長男ゲルマニクスを養子とする
ティベリウス、10年間の護民官権限、更新される
ティベリウス、再びゲルマニアへ遠征(〜5)、ヴェーザー川に到達
アエリウス=センティウス法成立;奴隷解放に制限
5年 ティベリウス、カウキ族・ランゴバルド族を征服。海路ユトラント半島(現デンマーク)のエルベ川に到達、属州ゲルマニア創設される
ブリタニアでカトゥウェラウニ族の王クノベリヌス君臨(〜ca.40)
6年 ユダヤを属州とする
アウグストゥス、首都警護の長官及び軍事金庫を創設
ティベリウス、マルコマンニ族と戦う
8年 パンノニア、ダルマティア反乱
9年 ティベリウス、パンノニアを降す
ティベリウス、バトの率いるダルマティアの反乱を鎮圧
トイトブルクの森の戦い(*1);ゲルマニア総督ウァルス、ゲルマン人ケルスキ族の貴族アルミニウスと戦い、3軍団殲滅され自決
 10年 属州パンノニア設立される
 11年 ライン川流域に長城(リメス)を築く
 12年 ティベリウス、凱旋。
13年 アウグストゥスのプロコンスル命令権、延長される
ティベリウス、護民官権限、プロコンスル命令権を受ける
14年 アウグストゥス没(位.BC27〜)
ティベリウス即位(〜37)
ティベリウス、セイアヌスを親衛隊長官とする
ラインとパンノニアの軍団の反乱、ゲルマニクスとドルススに鎮圧される
ゲルマニクス、ゲルマニアへ遠征(〜16);マルシ人を殲滅

*1   アウグストゥスが唯一経験した敗北。サクソニアのトイトブルク森の戦いで、彼の将軍ウァルスが敗れた。ローマで訓練を受けたアルミウスの勝利は、ライン川の東側での戦いをその後、ガリアとははっきりと異なる領土として位置づけた。ゲルマン人たちは、ローマ軍団兵の補給源になっていたが、民族がこぞってローマの統治や文化の領域内に入ってくることはなかった。このように根付いた分割線はヨーロッパを横切って、領土的、国家的、そして最終的には心理的な障壁を形作っていった。アルミウスはナチズムのヒーローにされてしまった。そのために今日、彼(アルミニウスのゲルマン名をヘルマンというが)の名は生まれ故郷でもほとんど知られていない。

資料 塩野七生 『ローマ人の物語XIV キリスト教の勝利』
石橋秀雄他 『世界史大年表』
サイモン・ジェンキンス 『ヨーロッパ全史』