Title9-3.GIF (2758 バイト) Europe273年   

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アウレリアヌス帝による帝国再復

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概略

 分裂していた帝国を再び統合したアウレリアヌス帝は、北方蛮族に対しても優勢に戦いを進めたが、勝った上で、165年前にトライアヌス帝が征服して領土を拡大したダキアを放棄することを決めた。 これは、防衛線を効率的に運用するための決断であった。

 衰退の兆しを見せていたローマ帝国を復活させた輝かしい業績を残したアウレリアヌス帝であったが、側近に殺害される、というローマ帝国または皇帝位の不安定さは続くことになる。


アウレリアヌス帝による帝国再復
271年 アウレリアヌス帝、通貨の発行権を元老院から皇帝に移す。
アウレリアヌス帝、ローマ郊外に「アウレリアヌス城壁」の建設に着手。
属州ダキアを放棄。ゴート族・ヴァンダル族に譲る。ドナウ河南に新ダキア属州を新設。
アウレリアヌス帝、アレマンニ族・ユトゥンギ族をパヴィアで殲滅、イタリアから撃退
アウレリアヌス帝、女王ゼノビア征討に向かう。
272年 アウレリアヌス、小アジアを奪還し、アンティオキアとエメサでパルミラ軍を破る
ローマ軍、パルミラを陥落させ、ゼノビアを捕虜とする。パルミラ王国滅亡
273年 パルミラ人、ローマ守備隊を虐殺、アウレリアヌス、パルミラ人の反乱を鎮圧し、パルミラを破壊
アウレリアヌス帝、ガリア帝国平定に向かう。
アウレリアヌス帝、シャロン(カタラウヌム)の戦いでガリアの僭帝テトリクス(270〜274)を破る
ガリア皇帝テトリクス、アウレリアヌスに降伏。;ガリア帝国滅亡
274年 アウレリアヌス帝、ローマで凱旋式を挙行。
アウレリアヌス帝、ローマに太陽神殿を建立
275年 アウレリアヌス帝、ペルシア遠征途上、小アジアで秘書の謀略により殺される
元老院、タキトゥスを皇帝へ指名
アウレリアヌス没後、フランク族・アレマンニ族・ブルグンド族、ガリアに侵入、諸都市を略奪(〜276)
 276年 タキトゥス帝、東方へ出発。
6月、タキトゥス帝、シリアに向かう途中で死去
東方の軍団司令官プロブス、皇帝に推挙される
元老院、タキトゥスの弟フロリアヌスを皇帝に指名。フロリアヌス、皇帝警護の兵に殺される。
 278年 プロブス帝、ガリアに侵略した蛮族を一掃。

 
資料  塩野七生『ローマ人の物語XII 迷走する帝国』
 石橋秀雄他 『世界史大年表』