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パルティアに攻めむ一方で、北方ゲルマン民族の侵入が活発化しはじめる

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概略

アントニヌス=ピウス、マルクス=アウレリウスで、五賢帝時代の最終局面を迎える。ブリタニアではアントニヌスの城壁を築き領土を拡大し、パルティア王国にも攻め込んでいたが、一方、北方ではゲルマン人のマルコマンニ族、クワディ族、サルマタエ人のヤジゲス族などのローマ帝国領内への侵入が活発化する。


パルティアに攻めむ一方で、北方ゲルマン民族の侵入が活発化しはじめる
135年 ハドリアヌス、第二ユダヤ戦争で決定的勝利を得て、ユダヤを属州シリア=パレスティナとする;ユダヤ人の流浪生活(ディアスポラ)始まる
廃墟イェルサレムにローマ植民市アエリア=カピトリナの建設を再開
136年 ハドリアヌス、後継者としてアエリウス(ルキウス=ケイオニクス)を養子とする
138年 アエリウス没
アントニヌス=ピウス、共治皇帝としてハドリアヌスの養子となる(マルクス・アウレリウスをピウスの養子とすることを条件として)
ハドリアヌス没アントニウス=ピウス、皇帝に即位(〜161)
140年 マルクス=アウレリウス、第一回コンスルに就任
141年 アントニヌス=ピウス、皇妃ファウスティナの死を記念して貧しい子女への養育基金を創設
142年 フォース―クライド両湾間に“アントニヌスの長城”築造;ローマの国境、北進。
ロリウス=ウルピクス、ブリガンテスの反乱を鎮圧(〜143)
143年 アテネ人の元老院議員ヘロデス=アッティクスと修辞学者フロント、コンスルに就任
144年 宗教家マルキオン、キリスト教神学の改革を企て、ローマ教会から破門される
145年 ca.北アフリカのマウレタニアで動乱(〜152)
146年 マルクス=アウレリウス、護民官権限・プロコンスル命令権を受け、共治皇帝となる(〜180)
150年 ゴート族、ヴィストゥラ川河口に南下
サマリアのキリスト教護教家ユスティノス(ca.100〜ca.165)活躍(主著『護教論』)
ca.殉教文学増加
リュディア出身の旅行家パウサニアス活躍(主著『ギリシア誌大観』)
ca.天文学者プトレマイオス、アレクサンドリアで活躍(主著『天文学大全』)
ca.アレクサンドリアの科学者ヘロン活躍(ca.65〜)
152年 マウレタニアを平定
 154年 ルキウス=ウェルス、第一回コンスルに就任
155年 パルティアのヴォロゲゼス3世と戦い、和約締結、
157年 ローマ、ダキアと戦う(〜158)
159年 ダキアを3属州に分割
160年 ca.防衛のため軍事国境線のラインの長城(リメス)、東方に拡張
アレクサンドリア出身の歴史家アッピアノス、『ローマ誌』を著す
161年 アントニヌス=ピアス没、マルクス=アウレリウス即位(〜180)
共治皇帝としてルキウス=ウェルスを立てる(〜169)
162年 ローマーパルティア戦争起こる(〜165)
ルキウス=ウェルス、東方遠征に出る
カッティ族、ゲルマニアに侵入
163年 ドゥラ=エロウポスの戦い;アウィディウス=カッシウス、パルティアのウォロゲゼス3世を破る
スタティウス=プリスクス、アルタクサタを占領し、アルメニアを回復
164年 アウィディウス=カッシウス、メソポタミアを征服;北メソポタミアを確保
165年 カッシウス、パルティアを破り、セレウキア、クテシフォンを破壊
東方から帰ったローマ軍により、小アジア、エジプト、イタリア、ライン地方に天然痘大流行(〜167)
ca.キリスト教護教家ユスティノス、ローマで殉教
166年 マルクス・アウレリウスの息子コンモドゥス、副帝となる
ローマ軍、メディアに進撃
ローマ、パルティアと和約締結
マルクス・アウレリウスとルキウス=ウェルスの凱旋式
第一マルコマンニ戦争(〜175);マルクス・アウレリウス、パンノニアを脅かしたマルコマンニ族と戦う
ゲルマン人のマルコマンニ族・クアディ族、及びサルマタエ人のヤジゲス族など、ドナウ川を渡り北イタリアへ侵入、アクィレイアを包囲
大秦王安敦(ローマ)の使者、日南に到着し、後漢へ入貢


資料 塩野七生 『ローマ人の物語XIV キリスト教の勝利』
石橋秀雄他 『世界史大年表』
サイモン・ジェンキンス 『ヨーロッパ全史』