探究テーマ史一覧 ホーム 十字軍の歴史(#108) Eurasia2010年
スンニ派とシーア派について
概略 |
このページについて;NHKサイトへのリンクが維持できなくなったときのことを考慮し、念のため、このページに「スンニ派とシーア派」に関する調査に基づく地図を一時的に写しておく。
|
仏教に「浄土宗」とか「臨済宗」などの宗派があるように、イスラム教にも宗派があり、それをざっくり、おおまかに2つの宗派に分けたものが「スンニ派」と「シーア派」ということになります。アメリカの調査機関、ピューリサーチセンターが2009年に発表した調査によると、全世界に住むイスラム教徒の87%から90%が「スンニ派」、10%から13%は「シーア派」と推定されています。 これは中東の国々の住民のうち、スンニ派の住民の割合がどれくらいなのかを色分けした地図です。
地図を見てみると、「スンニ派の盟主」と形容されることがあるサウジアラビアは、実はエジプトやヨルダンと比べると色が薄くなっていることがわかります。サウジアラビアの東部にはシーア派の住民が住んでいる地域があるからです。サウジアラビアのシーア派住民の割合は10%から15%と推定されています。
次(2つ目の図)はシーア派の住民の割合を国別に色分けした地図です。 「シーア派大国」と呼ばれるイランから、西にイラク、そしてレバノンにシーア派の住民が分布していることがわかります。この一帯を「シーア派三日月地帯」とも言います。
上記の2つの地図では便宜上、スンニ派にサウジアラビアの「ワッハーブ派」が含まれていますし、シーア派にはシリアの「アラウィ派」が含まれたりしているので、あくまで「ざっくりした」分類だと理解してください。イスラム教の宗派が2つしかない、ということではありません。
スンニ派とシーア派の違いの詳細にはここでは踏み込みませんが、預言者ムハンマド以降続いたイスラム教の指導者をどうやって決めるかをめぐって意見が対立したのがスンニ派とシーア派の始まりだとされています。
中東の紛争や対立を理解する上で、こうした宗教や宗派の構成を知ることは欠かせません。教義の違いが対立の直接的な原因となっているわけではありませんが、それぞれが政治的なグループを作ったり、そうしたグループが方針を打ち出したり、国の中で多数派と少数派に分かれたりするなかで対立が生まれている現実があるからです。 |
ホーム
21世紀TOP
サダム・フセイン政権 イラクの歴史 十字軍の歴史(#108)
探究テーマ史一覧
古代オリエント アレクサンドロス大王の東征 PageTopへ
21世紀TOP ホーム
|