Title9-3.GIF (2758 バイト) ギリシア人の歴史 探究テーマ史 #105 

<ギリシア人関連年表>
 ギリシアの主なできごと 周辺地域のできごと 
 BC30~20世紀  四大文明が栄えていたころ、ギリシアをはじめヨーロッパは未開の地であった。
集団で暮らしつつも定住することはなく、より強い集団から圧迫を受けると、他の土地に移っていた。肥沃な中部テッサリアや南部ペロポネソス半島などでは特に入れ替わりが激しかった。エーゲ海にある多くの小さな島の住民は海賊として略奪、襲撃を繰り返していた。
 
 BC17世紀  海洋民の中からクレタ島のミノス王が力を持つようになる。強力な海軍を作り、地中海の島々を制圧し、植民地化していった。海上交通が栄え、交易が活発化し、莫大な富が蓄積された。一方で、貧富の差が激しくなり、支配と被支配の関係が生まれた。[ミノス文明]とも呼ばれる。クレタ島のクノッソス宮殿。  
   神話によると、フェニキア地方(現在のレバノン)の都市テュロスの王女ヨウロペを見初めた全能の神ゼウスは牡牛に姿を変え、クレタ島まで連れ去った。フェニキアから見て西の一帯を彼女にちなんで「ヨーロッパ」と呼ばれるようになった。ゼウスとヨウロペの間に生まれた子がミノス王。
BC15世紀  ペロポネソス半島北部のミケーネ文明が栄える。アカイア人(ギリシア人の一支族)がアテネまで拡大する。ついには、ミノス文明を滅ぼす。
   神話によると、ミノス王は海神ポセイドーンに牡牛を授けてもらえるよう求めた。ポセイドーンは、その牡牛を生贄として捧げることを条件に求めに応じた。しかし、ミノス王はその牡牛が美しかったため、惜しくなり、別の牛を生贄にした。ポセイドーンは怒り、王妃パーシパエーが牡牛に恋をする呪いをかけた。パーシパエーが懐妊・出産したのは、人間の体に牛の頭が乗った怪物ミノタウロスだった。ミノス王は成長と共に狂暴になるミノタウロスを迷宮ラビリントスを建造させ、そこに閉じ込めた。そこに食糧として、年に一度若い男女7人ずつを捧げた。アテネが生贄を捧げるよう強要された時、アテネを建設したテーセウスは怒り、父王アイゲウスの制止を振り切って、ミノタウロス退治へ行く。テーセウスはミノス王の娘アリアドネ―の協力も得て、ミノタウロス退治に成功するが、成功したときには白い帆をかけて帰国するとの父王との約束を忘れて黒い帆のまま帰国した。それを見た父王は絶望のあまり海へ身を投げた。その海がアイゲウスの名にちなんで「エーゲ海」と呼ばれるようになった。
BC13世紀  ミケーネ文明が地中海貿易で栄えると、権益の重なるエーゲ海東の小アジアとの衝突が起きるようになる。それがトロイア戦争に発展した。トロイア戦争はホメロスにより、『イーリアス』としてまとめられた。  
 プリアモス王率いるトロイアとその同盟国は、金・銀・鉄・船材・亜麻布・麻などの黒海貿易を独占した。これに対しアガメムノーン王率いるギリシアが艦船のへレスポントス海峡(ダーダネルス海峡)への航行権を要求したのがトロイア戦争のきっかけとされている。  
 トロイア戦争に勝ったギリシア側は、黒海貿易ルートに沿って植民地を建設し、海軍力を持っていたアテネが莫大な利益を得るようになった。  
 トロイア戦争はホメロスの叙事詩『イーリアス』により伝えられている。ミケーネ王アガメムノンとミケーネの英雄アキレウスの物語。
 
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―ギリシア人の歴史―




資料 *1 『教養としてのギリシャ・ローマ』(中村聡一著)東洋経済新報社
  *2.『世界哲学史』‐「旧約聖書とユダヤ教における世界と魂」 高井啓介著
   山川出版社『世界史大年表』石橋秀雄 他。

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