千里鍼療院_鍼灸とは

漢方医学・鍼灸学による独特な痛みを解消するペイン治療

子宮内膜症って鍼灸で治る！Q&A

Q：友達が毎月の月経期に腹痛でたまらなくとても苦しんでいるようですが、病院に子宮内膜症と診断されたそうで、どんな病気ですか？
A：子宮内膜とは子宮の一番内側の膜です。月経周期に従って厚くなったり、剥がれしたりと変化します。本来ならば子宮腔にしか存在しないはずの子宮内膜組織が子宮内以外の場所に出来て、月経周期に併せて増殖したり、出血したりします。その出血は出口がないため、体の中に溜り、塊りができて、癒着を引き起こします。この病気を子宮内膜症と呼びます。卵巣内で繰り返し出血すると、血が外に流れないため、チョコレート状になった古い血液がたまって大きくふくれ、チョコレート嚢腫という腫瘍が出来てしまいます。また、子宮内膜細胞は血流に従って子宮から離れた場所にも移ってしまい、虫垂、膀胱、尿管、腸など、稀で肺にもできたりします。

Q：なぜ出血が体内に癒着しますか？
A：体内に出血が起こると、体がそれを治そうとして自然に病巣を包むような膜ができて、そのため癒着が起こります。臓器と臓器、臓器と腹膜がくっ付いてしまい、生理期以外にも痛みを感じることがあります。月経がある女性の１０人に１人は罹っているとも言われています。生命に危険を及ぼすような病気ではありませんが、閉経までずっと付き合うことになるかもしれません。月経がある限り完治することのない慢性病です。

Q：どんな症状が見られますか？
A：この病気の特徴は、月経が来る度に激しい腹痛があり、しかもエスカレット的に痛みの増強が進みます。月経痛以外には、月経がスムーズに出なく頭痛や嘔吐など全身症状も激しく見られます。また、月経過多や不正出血、性交痛、排卵期の腹痛、腰痛などもよく伴います。最近、増加傾向があります。

Q：なぜですか？
A：その理由としては、腹腔鏡検査が進み診断能力が向上して病気が見つかるようになっていること、初婚年齢・初産年齢が上がっていること、出産回数の減少などが指摘されています。

Q：友達が鎮痛剤で対応していますが、それでよいのですか？
A：それは大きいな間違いです。この病気がそのまま放っておくと、勉強や仕事に大変な影響をするだけでなく、日常生活にも支障をきたす、さらに不妊症の原因にもなりうるので、我慢せずに、早期治療が必要です。

Q：どんな治療法がありますか？
A：西洋医学では、薬物療法と手術療法がありますが、いずれを選択するかは、症状の種類、程度、進行度、年齢、子供をつくる希望の有無などを総合的に考慮して決めます。　　　薬物療法としては、月経時だけ鎮痛薬を服用する対症療法があります。また中長期的には経口避妊薬による偽妊娠療法があります。最近、ホルモン療法も導入されました。いずれにしても薬物療法は根治的なものではないため、治療終了後は再発・再燃をみることが多くなっています。そこで手術療法と組み合わせたりして、副作用の違いを考慮しながら交互に用いているのが現状です。
手術療法は、病巣だけを摘出して子宮や卵巣を温存する保存療法と、子宮・卵巣を摘出する根治手術があります。後者は、子供を希望しない患者さんに限られます。最近は、腹腔鏡下手術が行われるようになりました。

Q：他に効果的な治療法がありますか？
A：中国医学の漢方や鍼灸治療をお勧めます。殆どの人が鍼灸治療の有効性が知らないですが、実に、産婦人科の疾患は得意分野の一つであるので、即効かつ副作用がなく、お勧めます。

Q：中国医学って、どんな考えですか？
A：「不通即痛」という考えがありまして、いわゆるストレスや冷え症などによる体の血行障害を起こし、下腹部や子宮の回りに血液がうっ滞してかたまって（瘀血）、血脈が不通になって起こしたものと思われます。

Q：西洋医学と似ているような考えですね。どのような治療法がありますか？
A：舌診・脈診・腹診などによって明確された患者さんの体質に対して、疾病の原因を求め、ストレスや冷え、血行の改善と同時に瘀血を除くことは治療原則となります。漢方の桂枝茯苓丸などのほかに、鍼灸の治療は最も即効的です。下腹部や背中及び下肢の経穴を用い、刺鍼或はお灸します。当院に来られた患者さんへの治療で、一回目から明確的な効果が見られます。
　　すなわち、中医学の理論を基に行う鍼灸治療は、全身の血行を改善し、痛みを根元から緩和、しかも予防となります。さらに、自律神経やホルモンのバランスも整えることにより、妊娠しやすい体質を作ることも可能です。
また、鍼灸治療は副作用の心配はなく、体質全体を改善していけるので、何よりも安心できる治療法と言えます。次回、鍼灸の不妊治療についてご紹介します。

　