原子力空母の準母港化を許すな!

 2月11日午前8時過ぎ、米原子力空母ニミッツ(4859人乗り組み)が核兵器搭載可能な戦闘機など61隻を搭載し、佐世保港に入港しました。原子力空母の佐世保寄港は3年連続です。

 90年代、佐世保への空母寄港は5隻、うち原子力空母は1隻に過ぎませんでした。しかし21世紀に入って2年1回のペースに、そして04年以降はほぼ年1回のペースに。しかもそのほとんどが原子力空母でした。明らかに西太平洋に2隻の原子力空母を常時展開するための準母港化を狙った地ならしです。

 この日、憲法改悪阻止長崎県共同センターと安保破棄県実行委員会は佐世保市内で、ニミッツの佐世保寄港に抗議する県民集会を開き、県下から約250名が参加しました。

 集会では赤嶺政賢さん(衆議院議員)が情勢報告を行い、「ニミッツは過去に原子炉の1次冷却水漏れ事故を起こしたり、定期検査でのごまかしが発覚している。もはや安全神話は通用しない」と述べました。
 そして「ニミッツ空母打撃群は05年7月〜9月、07年5月〜8月にかけてイラク戦争・アフガン攻撃に参加し、佐世保出港後は沖縄海域で空自と空母航空群がサザンビーチという共同訓練を展開する。文字通り、米国の核先制攻撃戦略の足場になりつつある」と指摘しました。
 さらに惜敗した岩国市長選にふれ、「井原前市長は政府の圧力に屈せず、アメとムチの政策に敢然と抵抗の姿勢を示してたたかい抜いた。この決意に多くの市民がついていった。ここに平和な日本を切り開く展望を見いだすことができる」と述べました。
 また前日に起きた米兵による女子中学生暴行事件にもふれて「米軍基地があるかぎり、国民と日米両政府との矛盾は絶対に解消しない。矛盾があるかぎり私たちはたたかいを続け、基地を撤去し、子々孫々に平和な日本を渡していこう」と訴えました。

 山下千秋さん(佐世保原水協事務局長)が地元からの報告を行い、「新テロ特措法の強行によって佐世保から再びインド洋へ自衛隊が派兵された。実に36%の艦船は佐世保からで、まさに海外派兵の中心的役割を担わされている。また政府は米軍のための新しい弾薬庫建設を計画し、新しい専用岸壁、世界で唯一海外に配備しているLCACの新駐機場などの建設を進めている。佐世保が日米共同の出撃基地になっているという事実をしっかりと直視する必要がある。憲法9条を守るたたかいのためにも、ひとつひとつの危険な軍事的動きに対してたたかっていこう」と決意を述べました。

 集会後、参加者は繁華街のアーケード内をデモ行進し、「佐世保を空母の準母港にするな」「アフガン・イラク戦争をやめろ」「非核三原則を守れ」などと唱和し、市民にアピールしました。


戦闘機など61隻を搭載して寄港した原子力空母ニミッツ

(2008年2月11日)

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