県・市は米艦の入港拒否を貫け


長崎市へ申し入れをする要請団

 2月4日午前、憲法改悪阻止県共同センターと安保破棄県実行委員会は、長崎県と長崎市にたいして原子力空母ニミッツの佐世保入港とイージス艦シャイローの長崎入港に反対する要請書を手渡しました。

 県庁で応対した、危機防災管理課の溝口課長は、イージス艦の入港回避を「国やアメリカ大使館などに申し入れたが、まだ、回答はない」、原子力空母については「日米地位協定基づく寄港なので、県としては何かを言える立場にない」と答えました。これに対し、「被爆県ナガサキの感情と県民の安全を守る自治体の役割を考えるべきだ」と指摘し、入港回避の努力をするよう求めました。

 長崎市への申し入れには金谷原爆対策部長が応対し、「長崎市としてもイージス艦の入港回避を国や米国大使館などに文書で申し入れた」と述べました。要請団は「市民や市挙げて入港回避を求めているのに押しかけてきて『親善友好』などはありえない。今回は3度目であり、入港反対をもっと強くアピールすべきではないか」と指摘したのに対し「まだ時間はあるので、さらに入港回避を目指して努力したい」との態度が示されました。なお、田上市長は6日、米大使館と外務省に出向き直接入港回避を求めることが明らかにされました。

 県共同センターと安保破棄実行委員会では、入港が強行された場合には、それぞれ抗議集会を開催することにしています。


2008年2月4日

長崎県知事 金子原二郎 様

憲法改悪阻止長崎県共同センター
代表 原 章夫   
安保破棄長崎県実行委員会   
代表 内田武志   

米原子力空母ニミッツの佐世保入港、
イージス艦シャイローの長崎入港に反対する要請書

 県民の平和と安全をまもるための貴職のご努力に敬意を表します。

 米海軍の原子力空母「ニミッツ」が2月11日に佐世保港に入港し、イージス・ミサイル巡洋艦「シャイロー」が2月16日、長崎港に入港することが明らかにされています。米原子力空母の佐世保入港は、「リンカーン」「レーガン」に続き3年連続となります。

 長崎港への米イージス艦入港も3年連続であり、度重なる入港はもちろん、長崎県・長崎市の入港回避要請にもかかわらず、これを無視して「友好と親善のため」と強弁して入港を強行するという態度は、とうてい私たちには容認できるものではありません。

 「ニミッツ」も「シャイロー」もイラク攻撃に直接参加した艦船です。西太平洋に展開する「戦時下」の米艦船が核兵器を搭載していることは十分に懸念されるところです。

わたしたち被爆県民は、核兵器廃絶と恒久平和を心から願い、非核三原則の厳守を強く求めています。この立場から、以下の要請をいたします。

要請事項

  1. 長崎県は、原子力空母の佐世保入港にも、米軍イージス艦の長崎港入港にも反対の態度を表明し、入港の撤回を日・米両政府に強く申し入れること。
  2. 長崎県は、非核三原則の法制化を国に強く求めること。
  3. 長崎港を非核港として宣言し、入港する全ての艦船に非核の証明を求めること。

以上


2008年2月4日

長崎市長 田上富久 様

憲法改悪阻止長崎県共同センター
代表 原 章夫   
安保破棄長崎県実行委員会   
代表 内田武志   

イージス艦シャイローの長崎入港に反対する要請

 市民の平和と安全をまもるための貴職のご努力に敬意を表します。

 横須賀を母港とする米海軍のイージス・ミサイル巡洋艦シャイローが2月16日、長崎港に 入港すると報道されています。長崎港への米イージス艦入港は3年連続となり、米艦船の入港が常態化しつつあります。

 これまで、長崎市長・長崎県知事が入港回避を繰り返し要請されたにもかかわらず「友好と親善のため」として度重なる入港を強行するという米ブッシュ政権の態度に、私たちは、強く抗議するものです。

 シャイローはイラクへのミサイル攻撃をおこない、イラク戦争に直接参加した艦船です。
米ブッシュ政権は核兵器廃絶にむけたNPT再検討会議の「2000年」合意を無視して新型核弾頭の製造計画をすすめています。さらには核兵器と通常兵器の境をあいまいにした「核兵器を含む先制攻撃」を基本戦略と定め、現在でもイラク戦争を継続しています。核トマホークミサイル搭載可能艦であるシャイローが、核兵器を搭載していることは十分に懸念されるところです。

 このような状況下での被爆地長崎への米艦船入港を、被爆地市民として絶対に認めるわけにはいきません。私たちは核兵器廃絶と恒久平和を心から願い、非核三原則の厳守を改めて強く求めます。この立場から、以下の要請を行います。

要請事項

  1. 長崎市は、米イージス艦の長崎港入港拒否の態度を強く表明すること。
  2. 長崎市は、非核三原則の法制化を国に強く求めること。

以上

(2008年2月5日)