マスティンの入港に断固抗議する

 3月1日、核弾頭を搭載可能なトマホーク巡航ミサイルの発射能力を持つ米イージスミサイル駆逐艦マスティンが長崎港への寄港を強行しました。

 マスティンが接岸する小ケ倉柳埠頭には憲法改悪反対県連絡会や平和運動センターのメンバーなど約130名が集まり、「米艦船の長崎入港反対」「マスティンは直ちに出て行け」と抗議のシュプレヒコールを繰り返しました。昨年のステザム入港時と同じように、岸壁の前はフェンスが固く閉じられていました。

 県連絡会・安保破棄実行委員会の抗議集会では、冨塚明さん(ながさき平和委員会)が主催者報告。「今回でイージスミサイル駆逐艦の入港は4度目になるが、過去の3隻(00年のディケーター、03年のカーティス・ウィルバー、06年のステザム)はいずれもミサイル防衛対応型に改造された。これから三菱長崎造船所では海自のイージス艦改造が始まる。長崎港が米国のイージス艦を含め軍事的に利用される可能性が高い」と指摘しました。さらに昨年、青森県知事が米軍の青森空港利用を「軍事利用」だからとして拒否した例を挙げ、「外務省は地位協定を米軍に都合のいいように解釈しているだけで、『自治体は拒否できない』という法的根拠はないことが実例で示された。米軍が事実上自由に出入りしている状況を知恵を出してくいとめよう」と呼びかけました。

 また中田晋介さん(県会議員)は先日の県への申し入れの報告を行ない、「県は公文書を出し、『被爆地の市民の複雑な思い』を理由に米艦船の拒否を訴えているが、姿勢としては弱い感じがする。しかし前の高田県政の時には歓迎集会を開いてあいさつしていたことを考えると大きな前進だ。もっと被爆地の世論と運動を大きくしていこう」と訴えました。

 マスティンのエドワード・キャッシュマン艦長と記者との一問一答(長崎新聞)

○長崎寄港の目的は
 乗組員の休養と観光、地元住民との交流だ。
○知事、長崎市長ともに長崎は被爆地ということで米艦船寄港をして欲しくないと要請したが、入港した。友好親善につながると思うか。
 入港に反対していることは理解している。知事と市長の反対については政治的なことなので私たちはコメントできない。
○寄港は、地域紛争が起こった場合に米国が民間の港を利用できるようにするための準備と、市民に軍艦に慣れてもらうという見方があるが、間違っているか。
 その質問に私が答えることはできない。事前に組まれている計画に基づいて、私たちは寄港している。あくまでも乗組員の休養・親善のためだ。
○マスティンに核を積んでいるのか。
 核があるかないかを私たちは明らかにしない方針をとっているので私はコメントできない。米国は日本の核に対する心情を理解している。

【関連記事】
核疑惑艦の入港拒否を貫け!
核疑惑艦ステザムが長崎へ強行入港