核疑惑艦船の入港拒否を貫け!


長崎市への申し入れ

 2月26日、憲法改悪反対県連絡会と同ながさき連絡会は長崎市に対し、米イージス艦マスティンの長崎港への寄港を拒否するよう申し入れました。

 連絡会は、申し入れ書を手渡し、長崎市が入港拒否の立場を表明していることを評価すると同時に長崎市が拒否しているにも関わらず入港を強行しようとしている米国へあらためて抗議するよう求め、非核神戸方式など核疑惑艦船の入港を拒否できる方策を検討するよう求めました。

 市側は、出口静夫・市原爆対策部長と平和推進室長が応対し、「皆さんの申し入れは全く同感だ」とのべ、外務省や米国領事館などへ入港しないよう求めた経緯にふれながら、入港したならあらためて市長の声明を発表すること、入港を拒否できる方策を検討せねばならないなどの認識を示しました。

 翌27日には長崎県に申し入れを行い、上川秀男・県防災危機管理監が応対しました。この間の県の対応としては、長崎市と同様、外務省や米国領事館などに知事名で入港しないよう求めたことを明らかにしました。港湾の管理者でもある県が入港拒否を貫けないのは、日米地位協定の存在があること、また核搭載疑惑については「事前協議」を信頼せざるをえない、入港は「遺憾ではあるが拒否はできない」と述べるにとどまりました。

 連絡会は入港を強行した場合には、県としてもあらためて抗議の態度を表明するよう求めて要請しました。申し入れに応えて、県も市も、歓迎行事などは行わないし、出席しないこと、県民・市民の安全をまもるために万全の体制でのぞむ、ことを表明しました。


2007年2月26日

長崎市長 伊藤一長 様

憲法改悪反対長崎県連絡会
憲法改悪反対ながさき連絡会
代表者 原 章夫

申し入れ書

 市民の平和と安全を守るための貴職のご努力に敬意を表します。

 長崎県は2月19日、横須賀を母港とする米海軍イージスミサイル駆逐艦マスティンが3月1日から5日まで長崎港に入港することを発表しました。

 知事、長崎市長は、前回につづいて入港回避を繰り返し要請されたにもかかわらず、これを無視して入港を強行しようとする米ブッシュ政権の態度に、私たちは強く抗議するものです。

 ご承知のとおり、イラクへの武力攻撃を続ける米ブッシュ政権は今年の一般教書演説で「米国は依然、戦時国家だ」と述べています。したがって米艦船は核トマホーク搭載の疑いが濃厚とみるべきではないでしょうか。

 さらに、米ブッシュ政権は、核兵器廃絶にむけたNPT再検討会議の「2000年合意」も無視して新たな核弾頭の製造計画を進め、「核兵器使用を含む先制攻撃」戦略を基本に、空母、潜水艦を太平洋に重点配備する立場を発表しています。

 今回の米海軍イージス艦マスティンの長崎入港は、こうした米ブッシュ政権の国防計画の一環であり「友好と親善のため」とは、無縁のものと言わねばなりません。とりわけ、沖縄、横須賀、佐世保をはじめ米軍基地のある各地で米軍人による凶悪犯罪が多発しており、周辺住民は大きな脅威にさらされています。

 このような状況下での、被爆地長崎への米艦船入港を、私たちは絶対に認めることはできません。この立場から、以下の点を申し入れます。

  1. 長崎市は、米軍に「イージス艦マスティンの入港拒否」の態度を強く表明すること。
  2. 入港が強行された場合でも、歓迎行事等について主催はもとより参加しないこと。入港中は市民や観光客の安全確保に努めること。
  3. 長崎市は非核三原則の法制化を国に強く求めること。

以上