佐世保基地との消防協定改定へ

 昨年10月22日に米海軍佐世保弾薬補給所(前畑弾薬庫)の木工所が全焼した火災を受けて、1月22日、佐世保市と米海軍佐世保基地の間で締結されている消防相互援助協定の見直し作業が始まりました。佐世保基地内であった初会合には、市消防局と同基地消防隊の担当者ら6人が出席し、通報態勢など協定の問題点を探り、合意したところから消防協定を見直しを進めることを確認したと報道されました。

 今回の火災では出火原因、出火時刻などは結局特定されませんでした。全焼した木工場と直近の弾薬庫(レンガ造一部木造平屋建て)との距離は、小山を隔てて、約80メートルしかありませんでした。木工所には自動消火設備や火災報知機は設置しておらず、12月議会で佐世保市消防局の井上惇局長は「火災報知機の設置や、(警備員の)巡回など建物の管理態勢に検討が必要」と米軍の警備態勢の不備を指摘しています。あわせて「米軍消防隊の隊員、車両は十分な消火活動ができるよう確保されている」が、米側の覚知の遅れが指摘されていることについて「安全性を図るためにも、建物の内部の点検を実施する必要もあるのでは」と述べています。(西日本新聞)

 今回の火災で特に大きな問題は基地側から自治体への連絡がなかったこと、協定に基づく市消防局からの再三再四、計7回にわたる応援出動の申し入れを基地側が拒否した、にもかかわらず消火には4時間以上もかかったことです。

 これらに対して佐世保基地は当初は「弾薬庫や周辺住民への被害の危険性がなかった」「木工所付近は狭くて、日本側が来ても十分な活動ができなかった」ので「協力は必要ないと判断した」、また「火災現場である木工場の天井が崩落するおそれがあり内部に進入することができず時間がかかった」と説明していました。

 しかし井上惇消防局長は「現場を調べた限り(消火活動できるスペースはあり)車両の混乱はなかったはず。なぜ司令官がそのように話したのか理解できない」と異論を唱えました。また消火作業に4時間もかかったことに対して米軍が「消火栓の水圧不足」「出火現場の海側がフェンスで囲まれているうえにフェンスに約50メートル間隔で設置されている吸水管に貝殻が付着し、海水を取り込めなかった」と釈明していることを挙げています。(基地対策特別委員会)

 協定では、通報は火災が起きた側の判断に委ねられており、04年7月に起きた寄港中の原潜ラ・ホーヤのケーブル火災事故の際も米軍から佐世保市への通報は5時間以上たってからでした。このときも結局火災の根本原因は究明されないまま原潜は出港してしまいました。
 弾薬といい、原潜といい、米軍基地は潜在的に危険をかかえていて地域住民は不安に感じていることを理解していないようです。根底には日米地位協定の「基地内は米軍の管理事項」という発想があります。火災の状況にかかわらず第一報を入れ、現況報告を行うことは最低の義務ではないでしょうか。今後の協議の行方を見守りたいと思います。

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