中国の尖閣侵攻想定の日米演習 今年11月に米空母キティホークが佐世保に寄港し、その後に実施された日米共同演習の中で、中国による尖閣諸島侵攻を想定した対処演習を硫黄島近海で実施していたことを共同通信が伝え、12月30日付で各紙が報道しました。具体的な侵攻を想定した大掛かりなシナリオに基づく日米共同の演習は初めてのことです。 11月9日から15日まで日米共同のANNUALEX18と呼ばれる共同演習が「情勢緊迫段階から我が国防衛に際しての海上諸作戦等について演練する」ことを目的として行なわれました。海自からはイージス艦など約90隻、P3C哨戒機など約170機が参加。米海軍は8500人を参加させ、空母キティホーク攻撃群など13隻が加わりました。公表されている米艦船は以下の通り。 共同通信の報道では、シナリオは中国−台湾情勢の緊迫化を前提に(1)中国が尖閣諸島に武力侵攻(2)日本とアメリカが海上交通路を確保し、日本が輸送艦で地上部隊を緊急展開(3)アメリカ軍が尖閣諸島を奪還する−というもの。 演習での部隊の展開は、硫黄島=沖縄本島、沖ノ鳥島=尖閣諸島、四国沖の太平洋=東シナ海に見立てて実施。海自の輸送艦が、佐世保の陸自西部方面普通科連隊と鹿児島の第12普通科連隊の計約150人を乗せ、佐世保基地から硫黄島に向かいました。 米空母を中心とする日米艦艇が輸送艦を重要対象として護衛。中国軍役の海自潜水艦などとの戦闘訓練も行っっています。「尖閣有事は複数の想定の一つ」で、実際には特定の国を敵視した印象を避けるため、中国を「オレンジ」、日本を「青」、米国を「緑」などと、計8つの国と地域を色に置き換えたといいます。 西部方面普通科連隊は今年1月、渡米して米海兵隊から離島への武力侵攻や武装ゲリラの潜入に対処する手ほどきを受けています。このときの想定は「中国軍が沖縄県の尖閣諸島や石垣島などへ侵攻してきた場合」(日経新聞)といいます。今回の日米共同演習はこれを一歩進めた、まさに「実地訓練」にほかなりません。 【関連記事】 |
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