米軍の手ほどきの成果を公開
相浦駐屯地で対テロ特殊部隊

 6月7日付け新聞各紙は佐世保の相浦駐屯地で西部方面普通科連隊が「米海兵隊と合同で実施した島しょ防衛訓練の成果」を全国の部隊に普及する訓練を報道関係者に公開したことを報道しました。相浦駐屯地は全国にあまりない海岸線を有した陸自駐屯地です。

 離島防衛を専門とする陸上自衛隊西部方面普通科連隊(対テロ特殊部隊)は今年1月、米カリフォルニア州で米海兵隊から「侵攻された離島への偵察や上陸を想定した訓練」の手ほどきを約3週間にわたって受けました。自衛隊としては初めてのことでした。訓練は3日間行なわれ、米海兵隊からの直伝のノウハウを広げるために全国5つの方面隊の訓練担当幹部ら約100人が視察しました。

 公開したのは、占拠された島への潜入を想定した基本的な戦術で内容は次のようなものであったようです。
 駐屯地の沖合2キロに停泊した海上自衛隊の輸送艇から、陸自隊員30人が5隻のゴムボートに分乗して出発。約1キロ地点で3隻が目標の砂浜から約300メートルまで前進。そこから偵察隊員8人が泳いで潜入。隊員はラバー銃など約15キロの武器を身に着け、横泳ぎで波や音をたてずに泳いでほふく前進のまま上陸。その後、体をカムフラージュするために砂浜でゆっくり転がって砂を体全体にまぶして周囲に“同化”。近くの草むらにすばやく移動してラバー銃を構えながら警戒。沖合のボートに光で合図を送り、残りの隊員は夜間用の暗視ゴーグルを備えた隊員が、ゴムボートで後に続いた。

 在日米軍再編の狙いのひとつは米軍と自衛隊の軍事一体化です。米軍にとっては海兵隊的な性格を持った、同じノウハウを持つ自衛隊員が増えることは好都合なことです。

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